伝説?!のブランド「206」

こんにちは、HP担当の奥野です。

今回はリングヂャケットの今季デビューの新ブランド「206」をご紹介させて頂きます。実は、新ブランド…というと少し違うんですが。。。

以前ブログでも書かせてもらったように、「リングヂャケット=スーツメーカー」といった一般の認知は間違い?!で本来の姿は「リングヂャケット=スーツを含むカジュアル・ドレスのトータルを展開するメーカー」が正解なのです。

その歴史を紐解いていくと、日本にカジュアルウェアーという概念が入ってきた時代にまでさかのぼります。「made in U.S.A. catalog」が発行されアメリカンカジュアルウェアーがファッションとして認知されだした頃…、「VAN」が一世風靡した初期アイビーブームの時代…、1960年代からリングヂャケットはカジュアルウェアーを作り続けていて、日本のカジュアルウェアーの創世記から生き残っている数少ないメーカーなのです。(その当時から残っているメーカーは数えるほどです。もしかしたら無いかも???)縁の下の力持ち的な黒子に徹してきたので、工場として製造依頼を受けることはあってもリングの名前が表にでることはあまりなかったのです。エンドユーザーに認知がないのはこういった理由もあるかもしれません。。

当時は、スーツやジャケットを休日でも着用するのがお洒落であり当然のことでした。お洒落の中心アイテムとしてスーツがあったのです。リングは当時からスーツ作りに関して特化しており業界内でも一目置かれるようになってきていました。そこで、本来トータルで展開するメーカーだったのですが、特に得意とするジャンルの一つである「スーツ」が注目され、現在の「リングヂャケット=スーツメーカー」のイメージが付いてしまいました。

前置きが長くなってしまいました。。。

ある日、倉庫の奥の方を漁っていると、そんな当時のサンプルがゴロゴロ出てきたのです。それは、今みてもハッとするようなディテールや作り方をした商品群でした。ダッフルコートやファイアーマンコート、ケープ、アメリカ軍セーラーブルゾン、ハンティングジャケット、乗馬パンツ、メルトンブルゾン、リバーシブルパーカー…etc。オマケにLLビーンの旧タグ、リーバイスのヴィンテージデッドストック、ペンドルトン…などなども沢山でてきました。

この素晴らしいサンプルをベースに現代の感性と技術をミックスさせると良い商品ができるんじゃ?となりました。

(上の画像はそんな当時のサンプルをまとめた資料です)

その中でも一際目についたネームがコチラ↓

経年変化でかなり傷んでますが雰囲気抜群です!!!このブランドを現代に復刻したのが「206」です。

ベースコンセプトは、

質実剛健、機能美、時代に左右されないオーセンティックフレイバー。

ヴィンテージ(原点・ルーツ)に敬意を払いながらもただ復刻するのではなく、ヴィンテージを超えることをベースコンセプトとする。

ただ復刻というだけだと、デニムメーカーやヴィンテージリプロダクトメーカーなど既にやっているメーカーも多いです。ウチでは、そこにウチならではの発想や技術力を加えヴィンテージを超える商品を作っていきます。

あともう一つコダワリのコンセプトがあります。

メイド・イン・ジャパンの生地である事。メイド・イン・ジャパンの縫製である事にこだわり「本物のモノ作り」を追及していきます。

以前にも少し触れましたが、今「本物のメイド・イン・ジャパン」が無くなってきています。多くのアパレル企業が利益・コスト重視の為、生産を中国など海外に拠点を移しています。それによって日本の優れた工場や技術が失われてしまう危機に瀕しています。目先のコストにとらわれ日本で作らないことが結果として日本人の首を絞めているのです。

もっと「日本の技術」「日本のモノ作り」に誇りを持っても良いのではないでしょうか?

生地も安価なコピー物の海外製が多くなりました。中国やアジア圏で作って最終仕上げだけ日本といったものも増えています。これは、日本だけでなく世界的にこうなってきています。イタリアの生地メーカーでも2~3割だけイタリア製で残りのほとんどは中国で作っているといったメーカーも多いです。イタリアでも一部で問題になってきているようで「メイド・イン・イタリー」の協会やグループを作る動きもでてきています。イギリス靴の聖地と呼ばれているノーザンプトンでも多くの工程をトルコや中国などで作っているメーカーが多いです。(ある程度服好きなら誰しも知っているブランドばかりです…。僕も最初聞いたときは信じたくなかったです。愛用していたので…。)

ネクタイの生地もそうなんです。シルク本来の目付けや光沢ではなく、必要以上に樹脂加工を施して目付をつけて光沢もでるようにしている生地が多いです。あらゆるアイテムに「嘘」は紛れ込んでいるのです。正直「目利きのバイヤー」や「コダワリの技術者」が見ても分からないものも多いです。

じゃあ分からなければ良いのか?バレなければOKなのか?そういったことではないと思います。

「本物の商品」とはどういった事か?表層的なディテールやウンチクではなく「本物のモノ作り」とは?

「価格の安さ」を求めるのではなく、「嘘のない本物の商品」を追及していきます。

**************************************************************

さて、ブランドコンセプトが長くなりました。商品の詳細は次回にさせて頂きます。

今季はPコートとチノパン、トートバッグを作っています。

(先行アップ!次回裏付チノパンです。コダワリのディテールは次回詳しく!!!)

Ice Balloon