COLUMN 『服の向こう側』 vol.24 / 進化するRING JACKET Napoli trousers

RING JACKET Napoliのtrousersは、これまで幾つかの工房で作られている。

その時々により工房を変える理由はあるのだが、長くなるのでここでは割愛しておく。

 

 

同じ型紙を使っても工房により仕上がりが全く違うものになるから不思議である。同じ型紙なら同じように上がらなければおかしい…、というのが一般的な考え方だが、ナポリはそう簡単にいかない。

 

 

良くなることもあれば、悪くなることもある。また、全く思ってもなかった方向性に行ってしまうこともあるのだ。

それが素晴らしい出来栄えで上がってきたときの何とも例えようも無い高揚感!その感覚が忘れられず何度も何度もナポリの僻地まで通い続けている気がする。と知人に話したときは眉をしかめられた。

 

 

まぁ正しい反応だと思う。しかし、これだからナポリ仕立てはやめられないと今なお思い続けている自分が嫌いではない。先のことは分からないが嫌いになるまでやってみようと思っている。

 

 

そんな、素晴らしい高揚感を感じたのがこのキャバルリーツイルのトラウザースだ。

 

 

 

 

18ss シーズンからこの工房で作っているが、繊細さとナポリ仕立てならではのアジが共存し不思議な魅力を持っている。“アジ”というキーワードだけ一人歩きした粗いだけのハンドパンツとは違い丁寧で繊細な作りが特徴。『緻密なハンドメイド』という言い方がしっくりくる工房だ。

 
 

一括りに『ナポリ仕立て』といっても実は多種多様で、数人の工房で昔ながらの手仕事を中心にしているところもあれば、大きな生産ラインを持ったマシンメイドの工場で一部分だけハンドを取り入れたラインを『ハンドメイド』『サルトリアーレ』と謳っているところもある。

大きな声では言えないが、日本マーケットで人気の『ハンドメイドを謳っているサルト(テーラー)』が下請けに出しているマシンメイドの工場に偶然行ったことが何度もある。

 

 

その辺りの裏事情にも詳しいとある生地メーカーのスタッフが『ナポリは、ハンドメイドの交通渋滞が起きている』と揶揄していた。

全く同感である。

 

 

いつも通り話が逸れてしまった。

このトラウザースに話を戻そう。
 
 

 

 

 

 

 

 

この工房が気に入った一番の理由は、パンツ専門職人ではなくジャケット・パンツ共に自らの工房で作るサルトだったからだ。

※実は、案外知られていないが有名サルトであってもパンツは下請けの職人に仕事を出すのが一般的である。

 

 

ただ、珍しいということが良かったのではなく『パンツだけの職人』は、当然といえば当然だがパンツのことしか分からない。もっと言うと上着とのバランスや今のシルエットなど知ったことではない!という職人も多い。(勿論、全てのパンツ職人がそうだと言う訳ではない。)
自らがサルトとしてスーツ、ジャケット、コート、パンツ…と仕立ているのでトータルのバランスや顧客が求める時代性のあるシルエットなどの感性も備えていた。しかも、若いので昔ながらの手仕事に敬意を払いながらも柔軟な発想をもっている。

RING JACKET Napoli企画のパートナーとしては申し分ない。

 

 

よく聞けば、独立する前の修行先はサルトリア・サヴィーノ。あのアントニオ・パニコの兄弟弟子である。

カサヌルヴォで生まれ育った生粋のナポレターナ。脈々と受け継がれてきた伝説のナポリ仕立ての正統継承者の一人とも言える。

もうこれはやるしかない!と心の中で叫んだのが一年半ほど前である。懐かしい。

 

 

何度も試作を繰り返し、何とか今の形に落ち着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンドメイドの雰囲気は勿論だが、

進化すること

変わっていくこと

を厭わないのがとても気に入っている。

 

 

春夏シーズンより

・股上を少し深く

・プリーツも少し深く

・ワタリ幅を気持ち太く

アレンジしている。

 

 

 

 

生地が厚くなったので、サイドアジャスターの金具もそれに併せて変更した。

ちょっとした変化だが、メンズクロージングの世界はこうしたちょっとした変化で新鮮に見えたり気分が上がったりする。

 

 

 

 

生地は、英国騎兵隊用の服地としてルーツを持つキャバルリーツイルを使っている。粗野で朴訥とした雰囲気が堪らない。ここ数シーズン人気の英国調素材のジャケットとの相性も抜群である。

RING JACKETの今季のテーマである“british wool & texture”にピッタリだ。

 

 

適度なウェイトでストンと落ちるシルエットは、昨今の『軽く快適なのが一番』という風潮とは真逆の商品だが、一度履くと何故か病みつきになるパンツである。
 
 
ITEM : PANTS / RING JACKET Napoli

ART : 59077F03B

PRICE : 76,000- YEN +tax

COMPOSITION : WOOL 100%

SIZE : 42 . 44 . 46 . 48 . 50 . 52

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男のロマン感じるキャバルリーツイルも良いが、ベーシックなグレーサキソニーも先日ナポリより届いた。

こちらも唸る逸品である。

 
 

 

 

ITEM : PANTS / RING JACKET Napoli

ART : 59077F02B

PRICE : 76,000- YEN +tax

COMPOSITION : WOOL 100%

SIZE : 42 . 44 . 46 . 48 . 50 . 52

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From RING JACKET creative div. Okuno

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