“Mohair Suit” – Press column

  “Mohair Suit” Category : Fabric No, 18 (2021,02,28)   仕事柄アンケート等々において ”着こなしにおけるポイント” なるものに対し個人的な好みも踏まえお答えさせていただいている。 その回答において自分でも良く自覚した上でお答えしているポイントがある、 それが ”季節感” だ。   その季節感の表現において、まず色がイメージされると思うのだが、 個人的には色以上に大切なのではと感じているのが、生地が持つその素材感なのではないかと。   “良いスーツ” とは“良い生地”が使われているもの = ”光沢感” のあるもの。 そんなイメージがマジョリティな嗜好であるとそれこそ15年くらい前は強く感じたものでした。 ここでいう “光沢感” とは、サテン生地が発するような雰囲気、フォーマル的なルールからいうと、After5としての光沢感、主に綾織り組織により生み出されるそれだ。シューズでいうとポリッシュした光沢感だ。(生地組織の目が詰まる事で生地表面がフラットと なり、反射面が増える事でその光沢感が発生する) つまり、季節、時間に関係なくスーツにおいてはそのAfter5的要素が持つポリッシュした光沢感さえあれば良しされていると感じた訳です。   今回のテーマは “Mohair Suit” 。 その光沢感は先の ”ポリッシュした光沢感” とはまた異なるものだ。 綾織りとは違い平織り組織による生地は通気性があり、基本夏場に適していると言える。それゆえ目が詰まっていない事でマットな表情が生まれる。ウールのみで織られる生地では特殊な加工などが無い限りそのマットさのみに終始するのだが、モヘアが加わる事で、そのマットな質感の中に ”シャリ感“なる光沢が生まれるのだ。 その モヘア は ”Winter Mohair” なる固有名詞があったり、生地ウエイトによっては季節感だけでくくれるものでもないのも事実であるが、それでも私個人としてはこれからの季節、強い日差しの下でこそ映えるこの ”シャリ感” であると。 「装う」という言葉もよくメンズクロージングでは使われるが、一見ジャケットの着用自体が暑苦しく感じられる夏場においても ”シャリ感” は相対する人に視覚的な清涼感を与え、ジャケットを着用しているという身だしなみこそが「装う」ということではなかろうか。   時代も進み、先に書いた生地と生地組織による光沢感の違いは15年経った今、良い意味で異なる印象を与える物になっていると信じている。     そして、シャリ感がもたらす季節感の演出に加え、モヘアが持つ魅力の一つが “ハリとコシ” を備える素材特性だ。ご存知の様、縫製パターンと独特の仕様から生まれるリングヂャケット独特の丸く、曲面に沿って軽く立体的なフォルムは、柔らかさという点でクローズアップされることが多いのだが、このフォルムにハリコシのある素材が乗る事で、本来柔らかなフォルムが、構築的な重厚さを纏うこととなる。 メンズクロージングの源は英国によって形作られ、クラシックにおける重厚さのイメージというのはイタリア・サルトリアではなく英国テーラーハウスによるところが大きい。 つまりクラシックに憧れ、それを掘るほどに構築的な重厚さを感じさせる要素を求めることが自然な流れだ。 更にモヘア生地の代表といえば、DORMEUIL “TONIK” “SUPER BRIO” 、”William Halstead” というネーミング、英国に根を持つミル、マーチャントよって産み出されていることも刺さる理由の一つとして挙げられる。 つまり、スーツがスーツなるクラシックな魅力を備えるのに辺り、“Mohair Suit” はその英国由来の源流要素を十分に備えているという訳です。 (他にもMade in Italy 100% Mohair という仰天クオリティによる既製品もご用意しております。)   未だコロナ影響によるご時世であるのだが、青山店舗におけるベストセラーアイテムは、なんとスーツだ! ビジネスオケージョンにおいて着用したいというニーズに対し、モヘア混のスーツが好評となっているのが事実です。   “Mohair Suit” 改めて着用したいなぁと感じていただけたら嬉しいです。 [...]

“New model” – Press column

“New model” category : Suit No, 18(2021,02,14)   つい先日もこのようなご意見を頂戴しました。   「リングヂャケットさんはモデルをナンバーで分けているって解ったけど、 そのモデル自体がどういうものなのか明記されていないんだよね、、。」   こちら私コラム20200920投稿 “RING JACKET Suit model” にて昨年秋冬シーズン展開モデルを解説したのですが、弊社HP上に常に明確に展開モデルについての解説があるべきですよね、、ご意見を反映できればと思います。   2021年春夏シーズンは特筆すべき新型モデルが新たに加わっております。 この度はその新型モデルについて解説いたします。 取り急ぎ、先の投稿(20200920)と併せ、あらためて現在展開モデルについてご確認ください。     Model : 295H – RING JACKET MEISTER 206 (シングルブレスト 段返り3釦中一つ掛け) 2016年秋冬シーズンにスタートした”206レーベル” それ以来初めてとなるモデルチェンジがこの春夏シーズンに行われました。 既製品でありながらビスポークにて用いられる縫製技術を惜しげなく 注ぎ込むことで作り上げられる最高峰レーベルにおいても、RING JACKETが提案する方向性が明確に示される事となりました。 地襟を作った上で、共生地を据付け、一点一点アイロンワークで地の目を曲げて仕上げて行きます。文章上では2行にも満たないのですが、 この工程が206レーベルの肝と言える箇所かもしれません。また実際は”アイロンワーク”というワードで簡単にくくってますが、実際は弊社貝塚工場においても現在2人でしか行う事の出来ない箇所なのです。   ファーストモデルとなったModel:271Hはゴージラインがやや高い位置にあったのに比べ、新型となるModel:295Hはゴージラインを下げ、ノッチの刻みもゴージラインの延長線より少し上がるような角度にしています。 それによってもたらされる印象は、ナポリ・サルトリアにて生み出されるその土着的でクラシカルな表情を彷彿させます。 先にデビューしたマイスターラインのModel:286Hもこの襟の表情を持った最初のモデルであったのですが、大きく異なるのは縫製仕様と共にサイズスペックにおける抑揚感です。 中庸な雰囲気をあえて狙ったModel:286Hに対し、Mode:295Hは206レーベルファーストモデル271H、マイスターモデルにてベストセラーとなっているModel:253Hと同様抑揚感の強さが特徴です。身体により沿う体感を得られながら、イセ分量による可動範囲の広さもより体感できる仕様と言えます。 そして何よりもModel:253Hとも絶対的に異なるのはその身体への乗り方であると言えます。首から肩、首から背、首から胸というように身体に乗る多くの面積において軽さと柔らかさを必ずしや実感いただける事でしょう。 ここは先入観に囚われる事なく、是非一度ご体感いただけたらと思います。   Model : 294H – RING JACKET MEISTER (シングルブレスト 段返り3釦中一つ掛け) ゴージラインを下げ、ラペルを広くというクラシカルな方向性を提案するもう一つの新モデルがこちらです。 [...]

“THE COLOR OF TRAVELS” – Press column

  “THE COLOR OF TRAVELS” category: “SEASON THEME” No, 17 (2021,01,31)   19FW : 「Forest color」 20SS : 「Preppy & Havana」 20FW : 「Military & Work」   上記ここ過去3シーズンのテーマだ。 「カラー」、「スタイル」くくりと続いたが、実はその昔RING JACKETはシーズンテーマなど掲げていなかった。 “テーマ”というコンセプトがあると、“方向性”が決まってくる。 そしてシーズンがスタートするとその“方向性”を対外的に発信して行く。 接客時における「今シーズンのRING JACKETは○○です」の様に。 実は、対外的な発信の前に社内的な方向性を統一させる事にもシーズンテーマは一役かっていたりする。 前回 20210117投稿“RING JACKET MEISTER 206” でのコラムにおいて触れたのもその一例だ。   “テーマ”が掲げられているとそれが“そのシーズンにおけるトレンド=流行り”としても受け取られるのが一般的である。「Forest color」、「Military & Work」は正に色とスタイルにおけるトレンド提案なのであろうと考えた方も勿論多かったと思うのだが、実は直接的にトレンドを意識していないというのが本当のところだ。 勿論、例年開催されていたMilano Unica、PITTI IMMAGINE UOMOといった世界的な展示会を経てRING JACKETの物作りも進行して行くので、全くもってトレンドに沿っていないというのもまた事実ではないのだが、   トレンドと被る点もあれば全く被らない点もある。   これがここ数年RING JACKTが掲げるシーズンテーマなのだ。 コロナ禍影響で上記展示会も本来のスタイルでの開催が見送られている中、それこそ謳われている“トレンド”の影響力は落ちつつあると感じている。 そんな今でこそ普遍的な価値とスタイルを持つメンズクロージングを、みなさまご自身の価値観含め楽しんでいただく機会ではないかと思います。 その中でRING JACKETが提案する今シーズンのテーマに影響され、取り入れていただけると嬉しいですね!   [...]

“RING JACKET MEISTER 206” – Press column

“RING JACKET MEISTER 206” category: “RING JACKET MEISTER 206” No, 16 (2021,01,17)   RING JACKET 2021年春夏シーズンが淀屋橋、青山の両MEISTER 206屋号店舗においていよいよスタートしました。   例年この時期は、伊フィレンツェにて PITTI UOMOが開催されている筈で、トレンドとは距離をあえて置くことを意識している自身であっても、今やリアルタイムでチェックできるスナップ等をなんだかんだ楽しみにしている訳です。 私がこのメンズクロージングの世界に引き込まれた理由の一つに挙げられるのは、 洋装文化という日本から海を超えた向こうにある、長い歴史と共に形作られた、表層的な物とは絶対的に異なる装いの文化への憧れもあるのではと思っています。 今でこそトレンドくくりで見られる面も強くなってしまったPITTI UOMOだと思うのですが、かつてのメインパビリオンの2Fにはクラシコの重鎮メーカーが揃い踏みで、トレンドとは異なるなんか近寄りがたいオーラみたいなものを醸し出していたものでした。 そんな近寄りがたい雰囲気の源こそが、歴史と共に洋装文化を形作った時間と、職人技術によるものだと今でもそう思うのです。   “RING JACKET MEISTER 206” それこそRING JACKETがどこまで拘れるかを追求し、縫製技術的にも、スタイル的にも既製品として具現化した最上級レーベルなのです。 2016年秋冬シーズンにスタートしたこのレーベル、きっかけとしてはRING JACKET内においても「何が目指すべきスタイル、スタンスなのか?」というところから始まったものだったと記憶している。 RING JACKETの認知が国内外においても拡大して行く中、先に触れた様トレンドだけでの認知とならない様に、またスタッフの意識においても方向性を統一する必要があったのです。 キャラクター濃い服大好物スタッフが集う中において簡単に何が正解かを統一させる事はなかなか困難な事は容易に想像がつきます。 そこでその方向性となったのが、弊社代表福島が持つスタイルへの意識だったのです。 “注文服の様な着心地の既製品を作ろう”という創業理念を掲げてスタートした時にはビスポークで縫い上げる技術も持つ職人達が物作りを行っていたと聞きます。その当時から用いられている“被せ襟”等ビスポークに用いられる縫製仕様を既製品に。手間と時間、技術をこのレーベルに持ち込む事となったのです。 そして、その面となる生地はメンズクロージングを形作った英国生地がメインに選ばれたのでした。RING JACKETがスタイルとする軽く、柔らかな着用感はイタリアの中においてもナポリに代表される手作業から生み出されるスタイルに根を持ちますが、ナポリ仕立てと呼ばれる文化においても英国文化が与えた影響は大きく、その文化への憧れもあってか各サルトリアにおいても生地は英国生地というのが昨今“クラシック回帰”云々のトレンドとは関係無く意識として根付いているものなのです。 “RING JACKET MEISTER 206”はこの2つの要素を代表福島が持つ意識によって具現化されたレーベルなのです。   今回の投稿に辺り具体的な縫製面における特徴など、スペックにも触れようと思っていたのですが、既にレーベルの導入で大分文字数割いてしまいまして、書き始めの予定とは異なったのですが、恐らくこの内容は未だ外に出ていなかったと思います。 2016年秋冬レーベルデビュー時よりジャケットの型紙は変化なく6年間継続していたのですが、この2021春夏シーズンより真新しい型紙によるNEWモデルが登場しています。 間も無くスタートするオーダーフェアにおいてもこの新型をベースにしお作りする事が可能です。   RING JACKET MEISTER 206 [...]

“2020秋冬シーズン書き納め” – Press column

“2020秋冬シーズン書き納め” Category : 無し No, 15 (2020,11,29)   8月末より週1ペースにて15回に渡り投稿させていただいたこちら Press column、 2020秋冬シーズンにおいては今回でまずはひとたび書き納めとさせていただきます。   コラムをスタートするにあたり、物についてのスペック、コーディネイトといった割と数多ある内容ついての投稿は避けようと思っていたのですが、 とはいえ、欲されている情報というのはシンプルに RING JACKET の物についてのスペック、コーディネイトだったりするのかなと感じたりする事もあり、 今あらためてこれまでの投稿を見直してみても、ちょいちょいスペック、コーディネイトについても触れずにはいられないという投稿内容であったかと。 結果少しでもRING JACKETへのご興味を持っていただけたら嬉しいのですが。   現状、コロナ影響でなかなか私共を取り囲む環境は厳しい物であることはご存知の通りかと思いますが、 状況をご報告させていただいた様、RING JACKET Napoli に始まり、依然コートも絶好調ということもあり、いよいよアイテムによっては、サイズ欠け、品切れが発生しつつあるという嬉しい状況です。 店頭においてはいつもお伝えしている事ですが、基本的には今シーズンと全く同じアイテムが来シーズンに店頭に並ぶ事はありません! 「昨年買い損ねたので、今回買いに来ました。」という嬉しいお声をいただく事も多いのですが、「今シーズンはございません。」というお答えをしなければならないケースも結構あるのが事実なのです。   気になっているお品物がございましたら、このタイミングで是非と思います!   少し早いですが、現在RING JACKETでは既に来年の秋冬シーズン(2021年秋冬)の仕込みが終わりつつあり。 次の2021年春夏シーズンアイテムも既に準備を整え、店頭に並ぶタイミングを待っている状況です。 淀屋橋店舗、青山店舗のみで展開を行っている ”MEISTER 206” レーベルにおいてはレーベルスタート以来初めてとなる新型モデルが登場する予定であり、”MEISTER”レーベルにおいても個人的に購入予定の新型モデルも登場します。(YouTube にて告知済)   Press columnは上記2021年春夏シーズンがスタートするタイミングにて再開の予定で考えておりますので、こちらにおいてもお待ちいただけたら嬉しいです。     RING JACKET MEISTER 206 AOYAMA Staff & Press 津田  

“My favorite style” – Press column

  “My favorite style” Category : PRIVATE No, 14 (2020,11,22)   振り返ればこちらPress blogスタート初回時、 取り組みの告知させていただいたWeb catalog vol,3がようやくアップできまして。 それよりシーズンテーマとなる ”Military & Work” を軸にアイコンとなるアイテムをメインに私目線でピックアップし投稿してまいりました。 投稿する内容についても自身生の言葉でのブログとしたかったので、そこは 「気分で」 等々、、。 RING JACKET プレス担当としての枠を超えた個人的なアイテムへの思い入れがテキストに溢れてしまった事も有りました。   そこで今回は、オフィシャルな情報ではありませんが、 実際今シーズン個人的に購入をさせていただいたアイテム、そのスタイリングについての投稿とさせていただきたく。   投稿日1018 “JACKET Mod : 290” 実はこのジャケットが私日々のスタイリングにおいて大活躍しています。 「楽チン」をキーワードとしたジャケットが故にRING JACKETらしい縫製技術云々が控えめなジャケットであるのですが、最軽量仕立て、胸ポケット無し、袖口は切羽無しというシンプルさが重厚なイメージを持つクロージングアイテムの垣根を超えるスタイリングを可能としてくれている。 購入したのは DORMEUIL謹製 100%キャメル生地の物。ウエイトもあり実際はコートにも使用可能なクオリティ。 コートクオリティという肉厚な素材感が、シンプルなデザイン、コンストラクションであっても個人的に購入欲を高められてしまった理由がそこにある。   インナーにて着用しているのが ”John Smedley” のクルーネックニット。 クルーネックというリラックスしたプレーンなディテール。 これがスタイリングの核となるMod:290 が持つシンプルなデザインとのシンパシーを持たせている。   ボトムに選んだパンツはこちらもインポート買い付けアイテム “BORELIO” の物。 [...]

“ASYMMETRY SINGLE RAGLAN COAT” – Press column

  “ASYMMETRY SINGLE RAGLAN COAT” Category : COAT No, 13 (2020,11,15)   “Military & Work” を2020年秋冬シーズンテーマに掲げるRING JACKETであるが、先のコラムにて触れた”Motor Cycle Coat”と並びアイコンなるコートが今回の”ASYMMETRY SINGLE RAGLAN COAT”だ。   一見ロング丈のシングルステンカラーコートに見えるのだが、まず特徴的なのはフロント打ち合わせ部がダブルブレストの様に重なった状態にてボタンを留める形状だ。 実際こちらのコート、原型は英国ヴィンテージ軍物プロダクトを元ネタとしている。   ダブルブレストのディテール、それはフロントの重ね方を状況に応じ上前、下前とで変えられる機能を持っている。Pコートがその解りやすい例であるが、風向きによって風の吹き込みを避ける為にどちらでも上前にできる様な機能を果しているとされている。(寒く風の強い海上にてその機能が必要とされた。) また生地が重なる面積が増える事で身体を守るという点においてもその効果が求められたとされている。   ”ASYMMETRY SINGLE RAGLAN COAT” その名の様ボタン位置は縦一列でシングルなのだが、先に触れた様打ち合わせ部はダブルブレストの様重なる形状となる、故に”ASYMMETRY”という形状となるのだ。 ラグラン袖におけるRING AJCKETが誇るそのパターンについては、既にMotor Cycle Coat” (2020,10,25)Press columnにて触れているのでそちらを参照願いたい。   このモデルにおいては今シーズン5種類の生地にて展開を行っているが、 Web catalog でも登場し露出の多いアイコン的な生地がRING JACKETオリジナルの“カシミアスラブ”糸によって織られたネイビービッグパターンチェックだ。 “スラブ糸” = 糸の形状が一定ではなく、糸ムラを作ることでフシが現れ凹凸のある状態となる。 まずカシミアの混率が高い”スラブ糸”、その存在が特殊と言える。 理由として挙げられるのには、作り上げる紡績機自体の存在が希少とされており、紡績時において空気を多く含んだ状態で糸が紡がれる必要があるのだが、紡績機自体のスペースが必要であり近代化が進むに辺りそのクラシックな良さも効率という面から引退に追い込まれていった経緯があるのだ。   カシミアスラブ糸から織られた生地とは、凹凸感が生む視覚的なヴィンテージ感、空気を多く含んだ状態にて織られた膨らみのある物なのだが、 カシミアの混率が高く、贅沢かつチャレンジングな企画が故、現代では具現化すること自体が不効率でありその存在自体が希少と言えるのだ!   [...]

“ANDERSON & SHEPPARD HABARDASHRY” – Press column

“ANDERSON & SHEPPARD HABARDASHRY” Category : IMPORTED ITEM No, 12 (2020,11,08)   メンズクロージングの礎を築いたとされるイギリス。 その聖地と言えるロンドン サヴィル・ロウ。   わずか100数メートルの通りに沿って老舗テーラーが軒を連ね、 元来階級文化を持つイギリスにて1800年代から現在に至るまで世界中のVIPと呼ばれる超富裕層が各テーラーハウスにてビスポーク文化を継承し続け、スーツの聖地として認知される。もはや観光地でもある世界的にも稀有な通りだ。   個人的な話になるが、私自身がロンドンに留学中(2002)サヴィル・ロウは既に変化を遂げつつあり、その当時はサヴィル・ロウに独デザイナーズブランド ”Jill Sander” のショップが 老舗テーラーハウス ”Gieves & Hawkes” の向かいにあったり、通りの外れにはCONRAN卿によるレストランがあったりと、ビスポーク文化を根ざす通りにも変化と新しい風が吹いている事を私でも肌で実感したものであった。 とはいえ最近でも2014年〜公開の映画 “Kingsman”の舞台が老舗テーラーとされた様、サヴィル・ロウがスーツの聖地とされるのはこれから先の未来においても変わることは無いとまた新ためて実感したのだ。   “ANDERSON & SHEPPARD” イギリス サヴィル・ロウ、ビスポーク史上、そして現在においても最注目老舗テーラーハウスだ。(現在はサヴィル・ロウより移転)“ANDERSON & SHEPPARD” についてはネットを検索すればいくらでも出てくるので割愛させていただく。   前回投稿 ”NEW COMER High-back pants” にてあえてブランドネームのみ触れたのだが、ビスポークではないカジュアル既製品ラインがこの“ANDERSON & SHEPPARD HABARDASHRY”だ。 Category : IMPORTED ITEM とクレジットしているのは、リングヂャケット直営店舗にてバイイングしている物なのだが、リングヂャケットの店舗において何故に“ANDERSON & [...]

“NEW COMER High-back pants” – Press column

“NEW COMER High-back pants” Category : PANTS No, 11 (2020,11,01)     パンツのディテール変化がめまぐるしい勢いで進んでいる。 私自身が記憶しているのは、1995年辺りだったと思うが当時はそれこそ新御三家イタリアブランドと呼ばれた ”GUCCI” “DOLCE&GABBANA” “PRADA”のメンズコレクションにおいてクラシックなスタイルをミニマムに、シャープに、モダンに、そしてスリムに打ち出されたのだ。 それはもう強烈過ぎるほどのインパクトがあり、自身にとっても今でも忘れられない。 そして、これらコレクションのスタイル打ち出しと並行し、スタイルだけではなくその生産背景におけるイタリアが誇る伝統的な縫製技術が広く認知されるきっかけともなったのだ。 すなわちこれが “クラシコイタリア” ムーブメントのきっかけであったと私は認識している。 話は少し逸れたが、このスタイルが認知されたタイミングを契機に未だ現在に至るまで約20年以上もの間 ”スリム” というパンツのシルエットがトレンド、スタイルの主流であったと言っても過言ではないであろう。 現在に至っても未だマスという視点で見ればスリムというシルエットが主流とはいえ、パンツのシルエット、ディテールの変化という点において確実にその流れは大きな分岐点を迎えている。それは先に書いた様、ここ20数年なかった大きな変化だ。 ここ4、5年程の間ディテールの変化として挙げられるのが、 ・   プリーツ(タック)の復活。 ・   股上は深く。 ・   ベルトレスへ、(ブレイシーズ、サイドアジャスターといったスタイル、ディテール) “かつて” のスーツはジャケット、パンツ、ウエストコートの3つ揃えになることで初めてスーツと定義されており、上記ディテールの変化は全て 「”かつて”=クラシック回帰」 という流れに沿うもの。 またクラシック回帰の流れは勿論 “Military & Work”というRING JACKET シーズンテーマとも絡んでくる。 ”グルカパンツ” はRING JACKETが以前より継続的に提案をし続けているミリタリーアイテムの一つで、今でこそウィメンズにおいてもトレンドとなりマス認知となったアイテムであるが、交差させる様なウエストのベルト形状に特徴があり、スリム全盛期のノータックパンツには無いデコラティブなディテールを持ち合わせている。 クラシック回帰におけるひとつの定義としては、シンプルでミニマムな方向性に振れたここ20数年間から、オールドファッションでデコラティブに映るディテール機能美への回帰とでも言えようか。 そして、タイトルにある ”High-back pants” こちらもまた、”かつて” = ”クラシック回帰 + Military [...]

“MOTOR CYCLE COAT” – Press column

“MOTOR CYCLE COAT” Category : COAT No, 10 (2020,10,25)   この原稿を書いているここしばらく、例年になくこのタイミングで既に初冬の様な寒さの体感の日が続いている。 そして実際にコートの動き出しが例年になく早いタイミングでスタートしている。 実際コートこの週末も売れてます!   今回のタイトル “MOTOR CYCLE COAT” 2020年RING JACKET秋冬シーズンにおけるアイコン的なアイテムの一つだ。 勿論シーズンテーマの “Military & Work” の打ち出しに伴い今年の1月に開催されたPITTI UOMOにおいても会場にて実際に大きな注目を集めたアイテムである。(コロナウイルス世界規模でのパンデミックの影響でPITTI IMMAGINE UOMOも残念ながらこの1月以降開催出来ない状態が続いている。)   “MOTOR CYCLE COAT” – このアイテムの発想元ネタとなったのが、40年代英国でオートバイ部隊が着用していた物、それをRING JACKET要素を加えモディファイしたベルテッドコートだ。 前傾姿勢にてまたがるオートバイ乗車において物が取り出しやすい様、斜めに付けられた胸ポケットがまずは目に止まる。そしてRING JACKETのスーツやジャケット同様にミリタリーアイテムであっても味のあるドレス要素としてのハンドステッチワークをAMFミシンによって表現している。(ミリタリーアイテムに限っては「強度が命」故に手作業感での甘さ、拘り等は不要なのだが、そこをあえてというのが演出ポイントなのです。) こちらも既に周知の仕様かと思われますが、前振りのラグラン袖。これがまたなかなか具現化するのが難しい様で、元来ラグラン袖は手を真横に広げた様に作られているのが本来のスタイルであり、肩線も無く、袖の稼働域を持たせる為に袖幅を広めに取らざろう得ない構造だったのですが、RING JACKETではここ数年プッシュしているラグラン仕様のコートはディティールそのままに可動域を確保した前振り袖の設計と、袖幅をスマートに細く見せる事を両立したのです。 着丈は膝下丈となるロングなシルエットにウエストベルトが付きます。実際元ネタ含めおバーコートは元来膝下丈が基本、保温性を高めるという機能が第一にクラシックなコートはチェスターフィールドコートやダッフルコートを始め着丈は元来長い物なのです。またここしばらく継続しているクラシック回帰の流れにあって、コートの着丈こそ長くというのが一つのトレンドです。 (これは、コートに限らずスーツなども同じでドレッシー、エレガントという印象を高める重要な要素です。)   選定生地はこの1モデルに対し4つ。”英国MOON社 ヘリテイジBritish warm 起毛キャバリーツイル生地”  “RING JACKETオリジナルBALLOON ツイード調生地”  “英国VENTILE 超高密度コットン生地  “国内ニドムバイオ加工コットンドリル生地” とどれもアクの強すぎる個性を放っており生地バリエーションとしても非常に魅力的かつ個性的なラインナップかと。   上記4生地のうち [...]