『RING JACKET / fabric guild 』 vol.5 / Kynoch – worsted twist suiting

今回のコラム『fabric guild』はKynoch(カイノック)について書きたい。

 

 

以前にも書いたが、メランジと杢を混同している人が多いが実は別物である。そんな杢の表現が抜群に上手いメーカーの一つがこのkynochだ。

 

 

 

 

イタリアの生地メーカーと比べると英国の生地メーカーの方が太い糸を使う場合が多い。杢糸とは、別々の色糸を撚り合わせていくので細い糸だと繊細な表情に、、、太い糸だと粗々しい表情に、、、といった風に仕上がる。

 

勿論、kynochは粗々しい表情の生地が得意だ。特にスーツ。

表面が均一な色目ではなくチラチラと色糸が見え隠れする。少しクセがあり好き嫌いが分かれるところだが、この表情が好きな人には堪らない。

 

太番手の杢使いなので当然ウェイトも重くなる。395g/mだ。

少し前なら400gくらいのコートも多くあったので、コート生地に肉薄するスーツ地とも言える。

 

 

『重い』と思うかもしれないが、RING JACKETならではの仕立てで着用した際に重さは殆ど感じない。

ある程度のウェイトがある方がスーツは仕立て映えがして良い。軽い生地は軽やかで良いがスーツ本来のドレープや立体感を損なう恐れがある。

 

完全な焦げ茶ではなく少しだけ浅いブラウンなのも秀逸である。

 

 

 

 

 

 

 

 

ITEM : SUIT / RING JACKET MEISTER

ART : RT028F63F

MODEL : no.253EH / s-172H

PRICE : 190,000- YEN +tax

COMPOSITION : WOOL 100%

SIZE :   42 . 44 . 46 . 48 . 50 . 52

【RING JACKET MEISTER ONLINE STORE】

【RAKUTEN ONLINE STORE】

 

 

 

 

 

このブラウンでも相当な服好き用だが、次のグリーン グレンチェックはかなりイッている。

既製品でこれをやるところはほぼ無いのではないだろうか?オーダーでもかなり珍しい生地だと思う。

ハッキリ言ってkynoch側も発注がきて驚いたのではないだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

グリーンと言っても、グレーの糸もブレンドされているのでいやらしい感じはなく絶妙な色合いに仕上がっている。

とは言え、正直言ってこの生地を発注するときは悩みに悩んだ。格好良いのは間違いないのだが、、、普通に考えればネイビーのグレンチェックの方が一般的に受けやすい。

 

無理してチャレンジする必要があるのだろうか?誰もやらないような生地にこだわる必要が本当にあるのだろうか?

ベーシックなネイビー系グレンチェックの方が良いのではないか?

 

 

散々迷ったがこの生地でスーツを作ることに決めた。

 

 

まだシーズンが始まったばかりなので諸手を挙げて喜ぶのは早いが、、、

顧客様を中心にとても好評だ。

 

 

 

安堵感と共に、ちょっとでも弱気になっていた自分を恥じた。

今、ありとあらゆる商品が氾濫している。勿論、ベーシックな商品も大事だが…、それだけではその他大勢のブランドに埋もれてしまう。

攻めるところとキッチリと抑えるところのバランス感覚が非常に重要だ。

 

これからもRING JACKETでしか無いような商品、RING JACKETらしい商品を企画していきたい。

 

 

 

 

 

ITEM : SUIT / RING JACKET MEISTER

ART : RT028F62E

MODEL : no.253EH / s-172H

PRICE : 170,000- YEN +tax

COMPOSITION : WOOL 100%

SIZE :   42 . 44 . 46 . 48 . 50 . 52

【RING JACKET MEISTER ONLINE STORE】

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『RING JACKET / fabric guild 』 vol.4 / Lovat mill-teviot tweed-gun club check

 

スーツやジャケットに於いて最も重要なファクターの一つである“生地”。

一言で生地と言っても其々に特性があり様々な魅力を秘めている。人によっては駄目な生地でも、違う人にとっては堪らなく好きな生地である場合もあり、その多種多様性についついのめり込んでしまう服好きは多い。そんなハマってしまうと抜け出せない「魅惑の生地の世界」を綴るのが当コラム『fabric guild』である。

 

 

今回は、スコットランドのLovat millのteviot tweedについて書きたい。

何年創業で、、、という様なお決まりのブランドストーリーは当コラムでは割愛させてもらっている。検索エンジンで探せばすぐ出てくるような情報はここでは必要ない。そんな事より、『どんな生地なのか?』『何故、この生地を使おうと思ったのか?』の方が重要だと思うからだ。

 

 

 

 

LOVAT MILL teviot tweedの特徴をズバリ一言で表すと『田舎臭い』だ。

少し言い方が乱暴過ぎたか?

良く表現すると『スコットランドの田園風景をそのまま形にしたような朴訥として素朴な生地』といったところだろうか。

 

 

しかし、いくら素敵な言いまわしをしてもチェビオットツイードならではののゴリゴリ・ザラザラするタッチは変わらない。

ハッキリ言ってこの雰囲気と手触りが好きかどうか?

それだけだと思う。

 

 

嫌いな人はどう頑張っても好きになれない。でも、それで良いのだ。万人に受けることを狙った生地ではない。

そこが良いのだ。

 

 

その代わり、好きな人はもうどうしようも無いくらい好きな生地である。チェビオット種の羊ならではののザラリとした質感、430g/mというしっかりとしたウェイト、グリーン・ベージュ・ブラウン…といったカントリーカラーで構成されたチェック柄。完璧である。

 

 

、、、

とここまで褒めてるのかけなしているのか?

といった内容だったが、「トレンド」としてのコメントもしておこう。

英国調がキーワードの昨今、その中でも今期はカントリー調が旬である。クラシックなドレスクロージングの世界でもこういったカントリー調のチェック柄をモダンに着こなすのが人気だ。

ひと昔前だと「オジサン臭いジャケット」と言われていた色柄こそ1周廻って新鮮に映るようになってきた。

 

 

勿論、昔のまんま、、、

ではなくフィッティングに加えて、肩パッド無しののコンフォータブルな仕立てなど現代的な要素をミックスするのが肝なのは言うまでもない。

 

 

少し前まで「オジサン臭い…」と言われていたようなジャケットを颯爽と着る。右に倣えの無難な着こなしが多い中で、一歩先を行くスタイルは、廻りの人達をハッとさせるだろう。

そんな意外性のある着こなしこそファッションの醍醐味の一つではないだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[whole sale]

ITEM : JACKET / RING JACKET

ART : RT058F20F

MODEL : no.269F

PRICE : 110,000- YEN +tax

COMPOSITION : WOOL 100%

SIZE :   44 . 46 . 48 . 50. 52

 

 

『RING JACKET / fabric guild 』 vol.3 / Savile Clifford

 

英国のSavile Cliffordという生地メーカーを知っているだろうか?

 

 

実は、個人的に好きな生地メーカーの一つだ。

英国ならではの匂いを感じさせてくれるのが好きな理由の一つ。特にスーツ生地が良い。

 

 

 

「英国の生地メーカー=質実剛健」といったイメージがあると思うが、、、

実際は、super 180′s~200′sなどの高級ゾーンで薄くしなやかな生地を多く打ち出しているメーカーが思いのほか多い。分かりやすい富裕層向けブランドにはそういった生地が受けるのだとは思うが、個人的にはあまり興味がない。

人其々に価値観があり評価が分かれるところだが、、、高級な生地が必ずしも良い生地とは限らないと思っている。

この話は長くなるのでまたの機会に。

 

 

Savile Cilffordに話を戻す。

派手さは無いが、昔ながらの英国生地に対するイメージを裏切らない。

そんな生地を多く取りそろえるのがSavile Cliffordだ。

 

 

イタリアンクラシックの某重鎮メーカーも同じ理由かどうか分からないが、生地展示会で生地を見ていると偶然隣の商談席に座っていることがよくある。

日本マーケットでは、Fox brothersやW.Halsteadなどの方が認知度が高いが…、それらと比べても遜色ないクオリティだと思う。

 

 

 

 

 

ウェイト320g/mで適度な重みがメリハリのあるスーツを作る。

 

 

シックなブラック&ホワイトのグレンチェックに

レッドのオーバーペーンが効いて絶妙な雰囲気になっている。

 

 

『英国=パッとしない大人しい色柄』と思われがちだが、こういった渋いグレンチェックにハッとさせられるようなカラーのペーンをきってくるのもまた英国である。

 

 

今季のディレクションテーマである『ビッグパターン』スーツでもあり、お勧めの一着だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[retail]

ITEM : SUIT / RING JACKET MEISTER

ART : RT028F83A

MODEL : no.268EH / S-172H

PRICE : 160,000- YEN +tax

COMPOSITION : WOOL 100%

SIZE :   42 . 44 . 46 . 48 . 50. 52

COLUMN 『服の向こう側』 vol.34 / 『Mr.Slowboy × RING JACKET』

 

Mr.Slowboyというキャラクターをご存知だろうか?

 

Dunhill,Barbour,Drakes…などのファッションブランドから
LONDON underground,BMW MINI,Cathay Pacific…といったファッション以外のブランドまで幅広いクライアントを持つロンドン在住のイラストレーターFei氏によるキャラクター。

 

 

 

 

独特の雰囲気とタッチが世界中で評価されており
今最も人気のあるイラストレーターの一人だ。

 

 

インスタグラムなどのSNSでも人気があり以前から注目していた。

⇒Mr.Slowboy instagram

⇒Mr.Slowboy HP

 

 

PITTIやMILANO UNICAなどの展示会でもイラストをブランドイメージのディレクションに使うケースがここ最近増えてきていた。SNSの普及や人気に伴ってクオリティの高い写真が求められる一方で、写真とはまた違った表現手段に注目するブランドが出てきていたのだ。

 

 

10数年前までは、いわゆる『綺麗な写真』はプロのフォトグラファーの独壇場だった。しかし、デジタル機器などの技術の進歩により少しかじった素人でもプロ顔負けの写真を撮ることが不可能ではなくなってきているのが現状だ。

しかし、その一方で完璧に綺麗な写真?が世の中に多く溢れることにより、受け手の感動が昔より減ってきたような気がする。贅沢な話だが、ただ綺麗なだけの写真では驚かなくなっているのだ。

 

 

完璧な写真より、フィルムカメラによるモノクロ写真や手書きのイラストレーションのように「受け手側に想像する余地のある表現方法」の方が新鮮に映る場合もある。1周廻ってアナログなことが今面白い。

 

 

 

そんな事を考えていた際にふと目についたのがMr.Slowboyだった。

ただイラストが上手いだけではなくて、何故かテーラードジャケットやドレスクロージングに対する愛着のようなものを感じたのだ。

 

 

そこで、RING JACKETのイラストを描いてもらって、それをポケットチーフにするのはどうだろうか?

という案を思いついた。

 

 

昔から思い付いたらすぐ行動に移したい性分だが、思い付きだけでは製品は出来上がらない。

アイデアや思い付きなら誰でも出来る。どうやってそれを形にしていくか?またそのアイデアを実現する為のチームや協力してくれる取引先があるかどうか?がとても重要だ。

 

 

そこで、まずRING JACKET Napoliのネクタイ生地を作ってもらっているCOMOのシルクプリントをやっているメーカーに確認をとりイラストをベースにプリント出来るかどうかを確認した。返事はOKだ!

プリントするシルク生地の見本も送ってもらった。縫製工場のキャパも確認。

なんとか生産する体制はとれた!

 

 

早速、Mr.Slowboyにメールを送ろうとしたが、、、

一抹の不安がよぎる。

『日本のブランドからいきなりメール送られてきても…、無視されないだろうか?どういった切り出しで行こうか?』

色々悩んだが、RING JACKETの歴史からどういったモノ作りをしているか…などを綴って送ることにした。

 

 

 

 

2~3日して返信が返ってきた。

とても嬉しくて昨日の事のように覚えている。

『RING JACKETは勿論知っているよ。既に3着持っている。ビッグファンだ!是非コレボレーションしよう!!!』

という内容だった。

 

 

翌月ちょうど日本に行くので一度会おう!

となりトントン拍子に話が進んだ。

 

 

 

 

 

その後、メールでやりとりしたりロンドンで食事したり、、、

しながら出来上がったのがコチラだ

 

 

CONCEPT 1 -1

SLOWBOY works at RING JACKET

 

ITEM : CHIEF / Mr.Slowboy×RING JACKET

ART : 59268F01

PRICE : 12,000- YEN +tax

COMPOSITION : SILK 100%

 

 

 

 

 

CONCEPT 1 -2

SLOWBOY works at RING JACKET

 

ITEM : CHIEF / Mr.Slowboy×RING JACKET

ART : 59268F02

PRICE : 12,000- YEN +tax

COMPOSITION : SILK 100%

 

 

 

 

CONCEPT2-1

celeblations of garments

 

ITEM : CHIEF / Mr.Slowboy×RING JACKET

ART : 59268F03

PRICE : 12,000- YEN +tax

COMPOSITION : SILK 100%

 

 

 

 

CONCEPT2-2

celeblations of garments

 

ITEM : CHIEF / Mr.Slowboy×RING JACKET

ART : 59268F04

PRICE : 12,000- YEN +tax

COMPOSITION : SILK 100%

 

 

 

 

 

 

 

POPなデザインだが、不思議とクラシックなジャケットによく合う。

額に入れてイラストとして飾るのも悪くない。色んな楽しみ方が出来る良い商品が出来たように思う。

 

 

 

 

『RING JACKET / fabric guild 』 vol.2 / Marling Evans-bric check

半年に一度ミラノで生地の展示会がある。

Milano Unicaだ。シャツ生地から合繊、ウール…様々な生地メーカーが集まる一大イベントで世界中のブランドのデザイナーや企画者が集まり次シーズンのコレクションで使う生地をセレクトするのだ。

 

 

多くの生地メーカーの中から何百~何千といった生地をみて吟味するのだが、みた瞬間に『コレだ!』と思う生地に出会うことがある。

 

 

 

その中の一つがこの生地だ。

 

 

 

英国のMarling Evans。

今季のテーマカラー『bric brown』(レンガを彷彿させるブラウン)のチェックが洒落ている。

この生地でスーツを作った。

 

 

 

 

 

 

 

 

Marling Evans というと昔からの服好きにはジャケット用生地のメーカーというイメージがあるかもしれない。しかし、ここ数シーズンでスーツ対応の生地を作っていた。面白いな…、と思いながら実際に使う機会がなかったのだが、この色柄にはヤラれた。

 

抜群に格好良い。

 

 

しっかりとした質感ながら英国生地にありがちなザラつき感がない。

そして、杢糸の表情が素晴らしい。

※メランジと杢糸とを混同している人が多いが、別物である。簡単に言うと、トップ染めした霜降り糸がメランジで、杢は色違いの糸を撚り合わせた糸の事を指す。

メランジ(霜降り)は自然な色ムラになるのに対し、杢はより大胆にムラがでる。(勿論、霜降りの作り方によってムラが大きくでるように作ることも可能だが、一般的に、、、という事で)

 

 

 

 

 

 

 

 

生地の大きな流れとして「英国調」が挙げられるが、その中でも少しカントリー要素を含んだものが旬と言えるだろう。

しかし、『カントリージェントルマン』と言えば聞こえは良いが、コスプレ的な格好はいただけない。あくまで『ブリティッシュ カントリー フレイバー』を感じさせながら都会的でクリーンな着こなしがお勧めである。

 

 

 

 

 

ITEM : SUIT / RING JACKET

ART : RT028F08F

MODEL : no.269E / S-172

PRICE : 130,000- YEN +tax

COMPOSITION : WOOL 100%

SIZE :   44 . 46 . 48 . 50. 52. 54

 

上記商品取扱店舗

【国内】

・東京 TEIJIN MEN’S SHOP GINZA

・大阪 髙島屋大阪店5階 メンズビジネス

 

【Overseas】

・Hong Kong Lane Crawford

 

*卸限定商品の為、展開サイズ商品詳細は、

各お取扱店様までお問い合わせくださいませ。

 

『RING JACKET / fabric guild』 vol.1 / Loro Piana – pecora nera

2018年 秋冬シーズンのディレクションテーマ『bric brown』。

レンガを彷彿させるブラウンをテーマカラーとしているのは何度か触れさせてもらった。

 

 

それ以外にもディレクションテーマがある。『ビッグパターン』『ナチュラルカラー』がそうだ。

 

そこで、今回紹介したいのがこの生地。

 

 

 

 

 

ブラウン×オフホワイトの大柄のグレンチェック。

かなり大柄のグレンチェックで通常のジャケット生地ではなかなか無い柄である。一般的に柄を大きくしようとすると糸を太くする必要がある(柄自体を大きくせずピッチを広げて大きくする手法もあるが…)。糸を太くするということは、目付(ウェイト)がついてくる。

 

 

実は、この生地もウェイトは500g/mで本来コート用の生地である。ここ数年は軽いコート地が人気(400g~450gくらい)だったので、、、コート生地の中でも重い方に入る。それを敢えてジャケットでやってみたのだ。

 

 

しかし、『重い』と言われることはほぼ無い。

 

 

『ウェイトのある生地を使っても軽い着心地になる』

RING JACKETらしいジャケットとも言える。

※RING JACKETで一番軽い仕立てであるno.278モデルというのも重さを感じさせない理由の一つだ。

 

 

 

ビッグパターン以外にもナチュラルカラーを挙げていたが、、、

まさにナチュラルカラーそのものなのがこの生地だ。

 

 

 

 

Loro PianaのPECORA NERAというシリーズの生地を使っている。

羊の原毛そのものの色を活かした生地で、このシリーズは『オフホワイト、ベージュ、ブラウン、ダークブラン』のみで色柄が構成されている。羊から刈り取ったナチュラル(自然)な羊毛のカラーで出来上がった生地なのだ。

 

 

通常は、糸にする段階で調合した染料を使って染めていくのだが、、、

その工程を敢えて省きナチュラルなカラーを表現している。

 

※羊毛そのもののカラー「オフホワイト、ベージュ、ブラウン、ダークブラウン」のみで構成。ナチュラルで暖かみのある表情だ。

 

 

 

このundyed woolを使う手法自体は以前からあったが、どちらかと言うと英国メーカーが得意としており、刈り立ての原毛で脱脂もせずゴワゴワの風合いを残している荒々しいものが多い。イメージとしてはガンジーニットやインバーアランなどの古いフィッシャーマンセーターのような風合いと言えば分かりやすいだろうか?

 

 

そこは、流石イタリアを代表するファブリックメーカーであるロロピアーナ。英国メーカーがするツイーディな英国羊毛による原着色undyed woolではなく、メリノウールで非常に柔らかな風合いに仕上げている。

天然のナチュラルな色合いながら膨らみがあって柔らかなタッチだ。

 

 

しっかりとしているが、柔らかなタッチと暖か味のある表情は一般的なジャケットとは全く違う不思議な感覚に陥る。

是非、店頭で手に取って、そして着てみてほしい。

 

ここに書いている意味が深く理解出来るはずだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ITEM : JACKET / RING JACKET

ART : RT058F65F

MODEL : no.278F CP

PRICE : 120,000- YEN +tax

COMPOSITION : WOOL 100%

SIZE : 42 . 44 . 46 . 48 . 50 . 52

 

 

[fabric guild] vol.0

 

これまで、意図的に生地について深く触れるのを避けてきた。

理由は二つある。

 

 

15年程前だろうか?多くのブランドやアパレル企業が生地メーカーのタグを袖口につけて販売することで購買に繋げようとしていた。ある一定の成果は出たものの…、意図とは違う認識をする人達が多くなってしまった。『この生地メーカーなら大体このプライス…。』といったように使っている生地メーカーによってプライスレンジのイメージがついてしまったのだ。

実際は、同じ生地メーカーであっても生地によってプライスレンジの幅も違うし、縫製仕様やデザイン…諸々によって製品のプライスは変わってくる。

そういった誤解や間違った認識を避ける為、RING JACKETでは基本的に袖口に生地メーカーのタグをつけて販売しない方針にしたのだ。

 

 

あともう一つの理由としては、生地についてマニアックなブログを書くと「生地オタク化」「服オタク化」するのが嫌だった。当ブログでも何度か触れたことがあるが、コラム『服の向こう側』などではファッション業界人でさえ知らない深い話を書いていることもある。実際に同業者から『いつも楽しみにしています。ファンで熟読していますっ!』と何度も言われたことがある。

そういった人達は私のことを『マニアックな知識を持っているかなり特殊な服飾偏愛家』と思っている人が多いが、実は全く違う。

服は、『見て、手に取って、着たときの感動が全て』と思っている。マニアックなディテールや知識はどうでも良いのだ。ただ、この仕事をやっている以上、追求するところは徹底的にやろうと思っているだけである。

 

 

なので、あまりマニアックなブログ内容で一部の人達だけに喜ばれるより『着ることの楽しさ』や『ワクワクドキドキする感じ』を多くの人達に伝えたいのが本音だ。そこで、ここ2~3年は『如何に格好良くて、ワクワクドキドキするか?』を伝える手段としてヴィジュアルイメージの作り込みや写真のクオリティアップに力を注いできた。

 

 

 

上記の理由により、生地について深く触れないようにしていたのだ。

だが、『RING JACKETは、モノ作りにこだわったブランドなので…、もっと「生地」や「作り」などの話をしていっても良いのでは?』『多くのブランドが乱立している現代においてRING JACKETならではの強みをもっと打ち出しても良いのでは?』、、、

という声が多くなってきた。

 

 

 

そこで、これまでのコラム『服の向こう側』が、服が店頭に並ぶまでのバックストーリーを中心に綴るのに対し

「生地」そのものにフォーカスした『fabric guild』というコラムを不定期で書いていくことにした。サラリとした内容のこともあれば、深く掘り下げることもあるかもしれない。気分次第ないい加減なコラムだがお付き合い頂ければと思う。

 

 

今季のディレクションテーマとも併せてこのビッググレンチェックのことを紹介したいと思うが、、、

長くなったので詳細は次回に。

 

 

 

 

 

 

 

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VBC factory ③

VBCの魅力とは何だろうか?

と今回の工場見学で考えていた。

 

 

原毛から生地が出来上がるまでの全てをコントロールする力?

 

社員を大事にし、地元の雇用を守り地域密着型の企業姿勢?

 

どちらも正解だと思うが、VBCの企画力も魅力の一つだと思う。

 

 

 

その企画力の一端を垣間見ることが出来るのが、VBCアーカイヴルームだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

100年以上前の生地資料などが整然と並ぶ様は圧巻だ。

 

ここにある昔の資料をベースにVBCの企画が構成される。いくらクオリティの高いものを作っていても『新しいモノ』や『時代性』が無ければ飽きられてしまう。過去の資料を見ながら如何に現代の雰囲気に変えて生地にするか?そんな正解の無い難しい作業を連綿と続けてきたその経験値こそがVBC最大の強みなのではないだろうか?

 

 

VBC factory ②

工場の外の庭の次は、いよいよ工場内だ。

原毛の買付けから紡績、製織、整理加工仕上げ、、、と全て一貫してやっている。

案外知られていないのだが、実は多くのミルは分業制でやっている。糸はべつの会社から買ってきて織り上げるところや、仕上げの加工は他社に出すなど様々だ。

 

 

この全ての工程を自社で行いコントロールすることでVBCのハイクオリティ&グッドパフォーマンスが成り立っている。

 

 

機械化が進み人が少ないのも驚いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

徹底したコスト削減の為にオートメーション化を図っているのかと思いきや、全く反対の答えが返ってきた。

 

 

『勿論、コスト削減は大事な要因の一つです。しかし、それだけで行っているのではありません。人体に影響を及ぼす可能性のある薬品を使ったりする染色工程は、社員が快適に仕事が出来るよう機械化しました。また、人でなければいけない所はいまだに人の手でやっています。生地にキズが無いかチェックする工程は4回行いますが、全て人が行っています。オートメーション化が全てにおいて優先するわけではありません。人が機械を使い、機械がチェックする…その交互チェックが大事です。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さすが大企業、、、

しかし、『大企業=個性を活かしにくい+人と人との繋がりが希薄』なのでは?

と思っていたが、

 

 

『年に一回、社員の家族を工場に招待する会があります。お父さんやお母さんがどんな仕事をしているのか?みてもらうのです。お子様達はとても喜んでくれますよ。工場見学が終わったら、社長や役員と社員、そしてその家族の人達と一緒に食事をするのです。とてもユニークな試みでしょ?VBCは地域の人達によって成り立っていますから。』

 

 

という回答だった。

確かに工場を案内してくれたシモーネ氏をはじめ若いスタッフが多く活き活きと働いている。

どうやら良い生地を作るだけでなく、会社としても良いところのようだ。

 

 

 

イタリア人の多くは、人と人の繋がりを大事にする傾向が強い。

全く知らない人が取引にきても断ることもしばしばある。だが、友人の紹介だと分かるとガラリと態度が変わり、『エスプレッソでも飲みながら話そうか?アイツは元気にやってるか?ん?どうだ???』となるのだ。不思議な国である。

そんな不思議な国においてVBCの生地が好まれる理由が少し分かったような気がする。