COLUMN 『服の向こう側』 vol.49 / 一万着売れた生地『calm twist』①

「サヴィルロウ番手」という言葉を聞いたことがあるだろうか?

 

 

52番手双糸のことで、タテ糸ヨコ糸ともにこの糸を用いた生地は、しっかりとしていて仕立て映えする生地として英国サヴィルロウのテーラー達が好んで使うことからこう呼ばれた。

「番手」の数字が大きくなるほど細い糸になる。因みによくみかけるsuper〇〇〇’s といった表記は繊維の細さを表す表記であって糸番手とは違う。業界人であっても混同している人が多いが、、、

※この辺りの蘊蓄はグーグルなどの検索エンジンで調べたらいくらでも出てくるのでそちらに任せたい。

当コラムの趣旨は、ありきたりな蘊蓄寄せ集めブログではなく、検索エンジンでは出てこない『服の向こう側』を届けるのが目的である。

 

 

一般的に人気のあるイタリア生地は、タテ糸に60~72番手辺りの双糸を使っているケースが多い。更に、ヨコ糸を単糸にして薄く柔らかく仕上げる。

薄く柔らかく、着てすぐ馴染む感じが人気だが、、、

昔ながらの服好きはタテヨコ双糸使いのしっかりとした生地を好む傾向が強い。胸の膨らみ、ドレープ、袖の捻じれ、全体の仕立て映え、着込んで体に馴染む長年着用出来る質感などなどを考えると英国生地に多いタテヨコ双糸使いに行き着く。

 

そこで、『サヴィルロウで最も人気のある生地を超えるモノをmade in japanで作ろう!』と企画した。

10年以上前のことだが、思い出すととても懐かしい。

 

昨今、『世界で注目を集めるmade in Japanクオリティ』に早くから着目し、生地・縫製ともに日本製にすることで自社のストロングポイントを強化していった!

と言いたいところだが、実は為替によるところも大きかった。

当時は、コレクションの9割がイタリア・イギリスの輸入生地で構成されており、為替の影響により生地値が大きく変動した。そこで、比較的影響の出にくい国産生地(国産生地であっても原毛は輸入するので全く影響がないという訳ではない)を導入してプライス・デリバリーを安定できるようにしていったのだ。

 

当初は、インポート至上主義(盲目的に輸入物を良しとする人達)がまだまだ多いのでは?と不安もあったが、、、思いのほかスムーズに受け入れられていった。そこで、どうせやるなら様々なインポート生地を扱ってきた経験値を活かしてこれまでにない生地をオリジナルで作ろう!と動き出したのだ。

 

 

最初に手掛けたのが、先述の

『サヴィルロウ番手を超える生地』だ。

 

 

 

 ※初期のmade in Japna オリジナル生地。

 

 

サヴィルロウ番手よりしっかりとして生地安定性の増す太い糸を探し、その糸をタテヨコ双糸使いにして織り上げた。織機も大量生産用の高速織機ではなく、ションヘルと呼ばれる旧式織機でゆっくりと織り上げる。生地の色柄もイギリスとイタリアの両方をミックスさせた雰囲気を目指した。

試行錯誤した結果、しっかりとして仕立て映えのする良い生地が出来た。

テーラーなどで3~4mずつカットして販売するサヴィルロウ番手使いのバンチブックの生地と比べると、数百m単位で作り込むオリジナル生地は、それらに負けないクオリティ(むしろ勝っている?)でいながらプライスはグッと抑えることが出来るのも大きな特徴だ。

 

 

仕立て映えしながらもコストパフォーマンス抜群。売れないわけがなかった。

しかし、時代の流れはイタリアの薄く軽い生地になってきており、太番手のタテヨコ双糸使いの生地は重く好き嫌いが出てきているのも事実だった。

 

 

次の一手を考える時期に差し掛かってきていたのだ。
 

 

長くなったので続きは次回に。

 

 
RING JACKET creative div. Okuno

 

 

 

初期より進化したオリジナル生地。詳細は、次回!

 

 

 

 

 

 

 

 

west point gurkha

 

 

グルカパンツが最近人気だ。

ここ1~2年でイタリアのパンツ専業メーカーを含め多くのブランドから出ている。

 

 

このトレンドとは別に、RING JACKETでは7~8年程前からグルカパンツを展開してきた。その時々で、「今の気分」を盛り込んだグルカは、ノープリーツだったりプリーツが入っていても浅かったり、シルエットもスリムフィットだったり、、、と千差万別。

「今のグルカ」はこんなシルエットが気分だ。

 

 

 

 

適度にゆとりをもったシルエット。

少し深めの股上。プリーツもやや深めに設定している。

 

 

 

本格的なグルカパンツのディテールを備えながら、テーラードドレスパンツのような凝った作り。社内にもファンが多く、シーズンが変わる度に買い続けている猛者もいる。僕も7~8本グルカパンツを所有している。

 

今回のグルカは素材がまた良い。正直なところ、生地フェチとしてはこれだけでご飯三杯行けるくらいだ。

所謂ウエポン素材なのだが、ちょっと表情が違う。(ウエポンとは、、、ウエストポイント士官学校の~といったありきたりなウンチクは検索エンジンで探せばすぐ出てくるのでこちらでは割愛させて頂く)

実は、ムラ糸使いのウエポン生地。これが意外と無い。ウエポンと言うと、安価なチノクロスより光沢・ハリコシがあって良いというのが一般的だが、ムラ糸使いにすることによって、表情が綺麗なだけでなく程良い塩梅のアジがでる。はき込んでいくとより味わい深い表情になってくるのも特徴と言える。

この素材をカジュアルに落とし込むのではなく、ドレス仕立てのグルカパンツに仕上げるあたりがRING JACKETらしいと思う。カジュアルなんだけど程良く上品。ドレッシーなんだけど少しくだけている。

ジャケットスタイルのちょっとしたアクセントに使っても良いし、勿論ラフにカジュアル使いもOKだ。

 

 

 

ITEM : PANTS / RJ by RING JACKET

ART : RJ079S01G

MODEL : RJP-09

PRICE : 25,000- YEN +tax

COMPOSITION :  COTTON 100%

SIZE :  42 . 44 . 46 . 48 . 50 . 52

denim gurkha pants

Denim gurkha pants
 

 

リネン混デニムでさらりとしたタッチ。
 

適度にゆとりのあるシルエット。
 

本格的なグルカパンツディテール。
 

テーラード仕立てのトラウザース。
 

 

コレは良い!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ITEM : PANTS / RJ by RING JACKET

ART : RJ079S02X

MODEL : RJP-09

PRICE : 28,000- YEN +tax

COMPOSITION :  COTTON 60% , LINEN 40%

SIZE :  42 . 44 . 46 . 48 . 50 . 52

jam color shirt

ここ数シーズン、クラシック回帰の流れもあってスーツやジャケットはどちらかと言うとシックなカラーリングが主体だった。(一方で、全てシックに抑えると地味になってしまうので、タイはヴィンテージ調の少しアクの強いものが多い。)

 

ドレスシャツもそれらに合わせやすいホワイト・サックスなどベーシックなカラーを中心に揃えていたが、今シーズンはちょっと明るめのカラーを挿したい気分。

久々にこんな『jam color』なカラーストライプシャツが着たい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ITEM : SHIRT / RING JACKET Napoli

ART : 59109S08H

MODEL : MILANO

PRICE : 39,000- YEN +tax

COMPOSITION :  COTTON 100%

SIZE : 37 . 38 . 39 . 40 . 41 . 42

[RING JACKET MEISTER ONLINE STORE]

サックスではないブルーシャツ

何気ないようで、実は洒落ている。

普通だけど存在感がある。

 

そんなシャツが気になる。

 

言われなければスタッフでも気がつかないかもしれないが、、、

今回新作として入荷している少し濃い目のブルーシャツがそんな存在だ。

 

ドレスクロージングに於けるブルーシャツというのは、明るいサックスブルーが殆どのシェアを占めているだろう。
シャツを作る際にシャツ生地メーカーのスワッチを沢山見るが、実はブルー無地の濃淡カラーバリエーションはとても多い。しかし、殆どの場合一番明るいものか二番目に明るいサックスブルーが使われる。
「濃いブルーのシャツは使い難い」と通説のように言われている。確かに明るいサックスブルーシャツが持つ汎用性と比べるとコーディネートし難いのかもしれない。

だけど、、、

だからこそ、ビタッと決まったときには

『何気無いけど洒落ている』雰囲気を作ることが出来る。

 

 

ありそうでない、素敵なカラーだ。

是非、店頭で見てもらいたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

ITEM : SHIRT / RING JACKET Napoli

ART : 59109S09D

MODEL : MILANO

PRICE : 36,000- YEN +tax

COMPOSITION :  COTTON 100%

SIZE : 37 . 38 . 39 . 40 . 41 . 42

[RING JACKET MEISTER ONLINE STORE]

 

 

 

COLUMN 『服の向こう側』 vol.48 / French styleと L pocket pants ②

今、雑誌だけでなくインターネット上のブログやSNSで様々な情報が溢れている。

昔は、情報のソースと発信元がある程度限られていたので必然的にトレンドが一つのところに集まりやすかった。しかし、現代では情報発信が容易になった分、情報は分散化し局地的な流行は産まれるが大きなトレンドは産まれにくい環境になっている。

 

しかし、何故か幾つかのマーケットで同時多発的に出てきていて気になるキーワードがある。『フレンチ』『フレンチアイビー』だ。僕が久々にそんな気分だなぁと思っていたのもあるが、それにしてもなんだか多いような気がする。商品を仕込んで店頭に並ぶまで半年~1年程かかるが、同じ期間に同じ気分でモノ作りやバイイングをしていた人達がいたのだなと久々に新鮮な気分だ。情報が分散化しやすい現代において、意外なシンクロニシティを感じている。

 

 

半年程前に『 French styleと L pocket pants 』という題でLポケットパンツの紹介をさせてもらった。

⇒詳しくは前回のブログ

 

その第二弾が届いた。

素材はコットン×リネン。少し濃い目のベージュで何とも言えない良いカラーだ。意外とありそうでない絶妙なカラーだと思う。

前回の言い回しを踏襲するなら 『今回もまた、絶妙にフレンチなベージュ』 だ。

 

ベージュのコットンパンツはメンズウェアの定番だが、一般的に売れ筋なのは、アイボリー寄りの白っぽいベージュである。茶色よりのベージュや黄味がかったベージュは、少し通受けするカラーといったイメージが強い。でも、だからこそ良い。RING JACKET Napoli企画は、メンズファッション誌の入門編how toページを読む人達に向けてというよりは、ファッションが好きで好きで堪らない、安価なそれなりの服よりコダワリの詰まった内容の濃い服を求めている人達に満足してもらえるような商品群を目指している。
アヴァンギャルドで悪目立ちする服ではないが、群衆に埋没するような服でもない。変わっただけの服や目立つだけの服は簡単だ。さりげないけど存在感がある。そんな絶妙なポジションを常に狙っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018年秋冬にやりだしたときは、スタッフからも『だいぶ、スキマ狙いの渋い商品ですね…。』『マニアックすぎません?』と言われたが、数か月後には、『何だか良い雰囲気に感じてきました。』『ジワジワと気になってきて買ってしまいました!』と言われた。

 

 

意外なシンクロニシティを感じるとは言え、大きなトレンドになるとは思わない。しかし、それで良い。

服が好きで好きで堪らない人達の間で盛り上がれば充分だ。

 

 

 

ITEM : PANTS / RING JACKET Napoli

ART : 59079S02G

MODEL : RJNP-03

PRICE : 60,000- YEN +tax

COMPOSITION :  COTTON 60% , LINEN 40%

SIZE :  42 . 44 . 46 . 48 . 50 . 52

【RING JACKET MEISTER ONLINE STORE】

COLUMN 『服の向こう側』 vol.47 /  フレンチな香り漂うアメリカンB.D.

何度か挙げている通り、今季のディレクションテーマの一つに『amercan flavor mix』がある。

 

「american」というのは勿論大事だが、「mix」というのが実は大きなポイントだ。あくまで、懐古主義の「まんまアメリカン」ではなく、良い意味で亜流というか色々と混ざってる感じが面白いと思う。

商品開発全般に言えることだが、この『ミックス感』というのを大事にしている。ルーツやヴィンテージ、ヘリテージといったものに敬意を払いながらも『今、コレをやるなら…、こういった表現が良いのでは?』と考えながらアップデートしてやるのが良い。懐かしさと新しさが共存している変な感じ?を大切にしている。

 

あと、「アメリカ」と銘打っているものの自分の中では「フレンチ」な要素も多分にある。

フレンチアイビーを語るときに外せないのがボタンダウンシャツだ。しかし、ボタンダウンシャツと言えばアメリカ。フレンチだけどアメリカ?と不思議な感じがするけど、、、

日本人がアメリカントラッドやアメリカのカルチャー全般(アメカジも含む)にヤラれたように、フランス人もアメリカにヤラれたときがあったようだ。フランス人の視点から見たアメリカ(ボタンダウンシャツなど)は、ド直球のアメリカとは違った解釈をもって着こなしに取り込むことができ新鮮に映った。ボタンダウンに限らず所謂アメリカンで実用性重視のヘビーデューティー・スポーティなアイテムが、洗練されたヨーロッパのアイテムと組み合わせることで不思議な化学反応を起こしたのだ。

この化学反応は、マルセル・ラサンス、エミスフェールらによって深化し、日本のセレクトショップが目を付け、現在の多種多様なファッションのルーツの一つとなった。

 

 

そんな、“アメリカ”だけど“フランスの匂い”がするボタンダウンシャツを作りたくて出来たのが今回のシャツ。

 

 

左)タテヨコ双糸使いのしっかりとしたオックス生地。

安価なボタンダウン・オックス生地は多くの場合、ヨコ単糸使いでヘナっとしたオックス生地が多い。柔らかく馴染みが良い…という表現をされる場合もあるが、自分の中では「ヘナっとして物足りない」感じがする。やはり双糸使いで打ち込みがしっかりとした生地が好きだ。

特に白のオックス生地にはそれを求めたい。

タテヨコ双糸使いであってもドレス用の100双以上のロイヤルオックスになるとしなやか過ぎる。意外に思われるかもしれないが、丁度良い塩梅のオックス生地は案外少ないのだ。

 

 

右)今の気分とフレンチアイビー的な気分にピッタリのタータンチェック。
毎回、沢山の生地を見て吟味するが、みた瞬間『コレだ!』と思った柄。とても気に入っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スプリットヨーク、ループ、釦、センターボックスプリーツ、、

 

 

 

衿、カフス、前立て、とダブルステッチの仕様にしている。

これも古いアメリカンシャツの定番的なディテールの一つ

 

 

台衿も低めで、衿の開きも狭い。

下画像にある所謂イタリアンB.D.と比べると全く雰囲気が違うのが分かって頂けるかと思う。

 

 

 

 

 

ナポリのハンドメイドシャツ工房で作ったので、袖山は雨降り仕様で柔らかなギャザーが入っているのが良い雰囲気だ。
 

 
フレンチな気分で、アメリカの古いシャツのディテールを取り入れ、ナポリで作られたボタンダウンシャツ。

アメリカのシャツメーカーが見たら「違う!」と言うかもしれない。フランス人が見たら「???」と思うかもしれない。よくあるイタリアの色気漂うシャツでもない。

でも、そんな無国籍でミックス感のあるボタンダウンシャツが今格好良いと思う。

 

 

 

 

 

 

 

ITEM : SHIRT / RING JACKET Napoli

ART : 59109S07W (white ox)

MODEL : RJ-08

PRICE : 29,000- YEN +tax

COMPOSITION :  COTTON 100%

SIZE : S . M . L

[RING JACKET MEISTER ONLINE STORE]

 

 

 

ITEM : SHIRT / RING JACKET Napoli

ART : 59109S06E (check)

MODEL : RJ-08

PRICE : 29,000- YEN +tax

COMPOSITION :  COTTON 100%

SIZE : S . M . L

[RING JACKET MEISTER ONLINE STORE]

LINEN TWEED

2019年春夏シーズンのディレクションテーマの一つが『LINEN TWEED』だ。

 

本来「ツイード=冬」のものだが、ツイードのような太番手の糸を使ったリネン混の生地や、ネップが入ったドニゴルツイードのような表現を春夏素材でした生地が多く出てきている。

 

商品企画の仕事をしているので毎シーズン多くの生地を見る。ひたすら生地スワッチとにらめっこする日々が続くのだが、正直なところ生地を見過ぎて倒れそうになることがある。しかし、めまいがするほど沢山の生地を見ることによって、生地の種類や色柄だけでなくメーカー毎の特性やある程度のトレンドや流れが見えてくるのだ。

 

数年前こういった生地を見たときは、『春夏でツイード?』と訝しんだものだが、今やすっかり定番となった感がある。春夏素材を使ってのツイーディな表現は、もはやクラシックと言っても差し支えないのでは?と思うほどだ。

 

リネンといえば、真っ先に浮かぶのが『シワ』である。

リネンのシワを敬遠する人が多いが、リネンでしか表現できないアジと雰囲気がある。シワが入るから良い。着込んだ際に入る自然なシワが抜群に格好良いのだ。

ツイーディなリネン。良いと思う。大いにシワを入れて独特のアジを楽しみたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春夏素材ではあまり見かけない ワイドピッチのヘリンボーン。

『大ジワは入るが小ジワは入らない』アイリッシュリネンならではのシワの入り方が堪らない雰囲気になる。

 

 

ITEM : JACKET/ RING JACKET

ART : RT059S13G

MODEL : no.283

PRICE : 110,000- YEN +tax

COMPOSITION : LINEN 100%

SIZE :     42 . 44 . 46 . 48 . 50 . 52

 

上記商品取扱店舗 

【Overseas】

KOREA   The Galleria G.STREET 494 HOMME

・Singapore Colony Clothing

・France Mennecy Beige

 

 

and

RING JACKET retail store

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドニゴルツイードのようなネップが入った生地。独特の表情だ。

 

 

ITEM : JACKET/ RING JACKET

ART : RT059S07X

MODEL : no.278F CP

PRICE : 110,000- YEN +tax

COMPOSITION : WOOL 61% , SILK 14% , LINEN 13% NYLON 12%

SIZE :     42 . 44 . 46 . 48 . 50 . 52

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amrican flavor なシャツ

 

 

何度かここで書いている通り、今期の打ち出しテーマに『ameican flavor mix』がある。

 

 

こんなチェック柄が気分だ。

 

 

勿論、american flavorなディテールを備えたシャツである。詳しくはまた次回に。
 
 

 

 

 

 

 

COLUMN 『服の向こう側』 vol.46 /  柔らかく丸い衿

 

今回、2019年春夏スタイルの撮影をFIRENZEで行った。

その際、コーディネートの主軸の一つとして使ったのが、今回のラウンドカラーシャツである。

 

 

 

 

 

数年前にもラウンドカラーのシャツが流行ったことがあったが、その時は衿が小さくワイド気味のものが多かった。タイドアップも勿論出来るが、洗いざらしでカジュアルに着ても洒落てる、、、というイタリア的解釈のラウンドカラーであったと思う。

 

 

それと比べると今回のラウンドカラーは衿先も少し長く、開き具合も狭くレギュラーカラーに近い雰囲気。英国の伝統的なシャツを彷彿させるクラシックな衿型である。

シャツメーカーなら多くの衿型を持っていて当然この辺りのデザインも持っている、、、と思いきや案外もっていないケースが多い。特にイタリアのシャツファクトリーでは、イタリア的ラウンドカラーはあるが英国的なデザインは無いケースがあるのだ。

 

無いなら作ろう!と製作にかかった。

 

何でもかんでも別注で作るのが良いとは思わない。「欲しいものが無い。なら作る。」のがオリジナルの本来のあるべき姿だと思う。「別注の為の別注?」「別注してますと言いたいが為の別注」が多く氾濫しているように思うのは私だけだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

毎度のことながら打合せは難航。

1時間程で終わる予定の打合せが、気が付けば3~4時間経っていたというのはザラである。『ナポリは難しい』と日本人の同業者だけでなくイタリア人までも口を揃えて言うが、本当にその通りだと思う。しかし、『ナポリにしか出せない雰囲気がある』のも事実だ。

 

上がってきたサンプルを見て苦笑いしながら連絡することは一度や二度ではない。(仕様間違いや指示通りになっていない…等々。)

 

 

 

 

※何故かセカンドサンプルでOKだったところが、サードサンプルで間違って上がってくる。一つ改善されると、一つ間違う?

いたちごっこのような打合せが数回続く。

並べてみると分かりやすい。衿の開き具合が違うだけで全く違うシャツになる。

 

 

 

今回も計4回サンプルを上げてもらって何とか商品化にこぎつけた。衿のデザインだけでなく、ステッチ幅、芯地、台衿フロント下のクリ、、、等々言われなければ分からないけど、実はコダワリが詰まったモディファイをしている。

 

 

英国のシャツメーカーは芯地が硬くカッチリした印象になるが、このシャツは適度な柔らかさの芯地を使いながら接着芯で固めないフラシ仕上げにこだわった。クラシックなデザインだけど独特の柔らかい雰囲気に仕上がっている。

縫いやすく綺麗に仕上がりやすい(クレームになり難い)との理由で生地を接着芯で固めて衿やカフスを作るイタリア・シャツメーカーも多いが、やはり接着芯で作られた衿は堅い印象で独特の柔らかさが表現できない。接着芯を使っていても高級シャツと認知されているブランドもあり、好みの問題でもあるが、、、RING JACKETのスーツは接着芯ではなく、手間暇がかかるが生地本来の風合いや柔らさを大事にする毛芯仕立てだ。どちらが相性の良いシャツかは言うまでもないだろう。

 

クラシックな佇まいだけど、ナポリならではのアジと柔らかさがあるシャツに仕上がった。手前味噌ながら良いシャツだと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラウンドカラーというと難易度が高いように思う人もいるようだが、深く考え過ぎないで良いと思う。普段着慣れているセミワイドやレギュラーカラーのシャツを今回のシャツに変えるだけでいい。それだけで、いつもの雰囲気がちょっと変わる。

メンズクロージングに於いて、その「ちょっと」がとても大事だ。劇的に変える必要なんてない。ちょっとした変化を何てことない顔をしながら密かにやるのが、大人の愉しみというやつだと思う。

 

 

 
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