COLUMN 『服の向こう側』 vol.40 /  como × napoli tie

  先日、とあるスタッフと話していて「RING JACKET Napoliタイの独特の色柄のファンのお客様がいます!」と話してくれた。   世のトレンドに沿った皆が「良いね」というタイは世の中に数えきれない程ある。特に日本は、世界的にみても過剰と言えるほどモノが溢れている特殊なエリアだ。勿論、RING JACKET Napoliタイもある程度トレンドを意識したコレクションを組んでいるが、一部全く無視したものを敢えて数マーク作るようにしてきた。 あっと言う間に売れるものもあれば、そうでもないものもある。売れるにこしたことは無いが、、、マーケティング主導型すぎる商品開発は、同質化しジワジワと魅力を失っていく。トレンドも大事だが、モノに携わる人間が『本当に格好良い!』『ワクワクドキドキする!』ことの方が遥かに大事だと思う。そういった商品は必ずお客様の琴線に触れるからだ。     そんな訳で、常に何か楽しいことが出来ないか?今までとは違った角度から商品開発出来ないか?と考えるのが好きで堪らない。 新商品開発には、新しい生地サプライヤー開拓も重要なファクターである。そこで、7月にナポリ~ミラノと廻るついでにシルク生地の産地コモに向かった。       綺麗な湖。青い空。白い雲。 ヨーロッパ有数の避暑地でもあるコモは、ゆったりとした時間が流れている。素晴らしい生地は、やはりこういった環境で産まれるのだなぁと素直に思える景観だ。 何度かコモに訪れているが、いつも朝から夜遅くまで打合せに明け暮れているのでゆっくりしたことがないのがとても残念である。いつか休暇でゆっくりと来てみたい。             新しい生地メーカーに行って全然駄目なときと、心躍るときとがある。今回は嬉しいことに後者だった。     今までの生地メーカーでは無かった色出しも良かったが、少し凝ったテクニックを使った試作サンプルに目がとまった。             両面プリントを施した上にサンドウォッシュ加工をして薄っすらと白みがかった独特の表情になっている。触ったときのタッチも抜群だ。   興味津々に聞くと、   『まだ試作段階なんだ。ダブルプリント自体は以前からあったけどコストが高くなるし、、、サンドウォッシュ加工もしてるので更に高くなる。面白そうだからやってみたけど現実的に難しいかな?』   『いや、コレは良い!是非やりたい。』   『でも、もう一つ問題があるんだ。どんな色柄でも出来るというわけじゃあない。反対側に色が影響するかもしれないから其々の面の色を丁度良いカラーリングにしないと成立しない生地なんだ。この試作は上手くいったから、これズバリなら良いよ。勿論、コスト高いのが良かったらね(笑)』     という返答だった。   勿論、多少高くてもやるつもりだったが、問題はそこじゃあない。 ヒネクレものと言われればそれまでだが、ここに置いてあるサンプルズバリをやれば簡単に出来るかもしれない。しかし、だ。今日帰った後に他のデザイナーが来たら同じようにするかも知れない。この色柄も決して悪くない。むしろ、良いと思う。 しばらく葛藤したが、自分の中の奥にある考えに従った。   『このダブルプリント・ストーンウォッシュの手法を使って、別のこの柄で、、、表面は、この配色にして、裏面はこの配色で、、、』 と打合せを始めた。   [...]

COLUMN 『服の向こう側』 vol.39 / napoli と fox brothers

    昨年の7月、milano unicaという生地の大型展示会に行ってきた。どうせミラノまで行くのであれば、ナポリも廻ってRING JACKET Napoli企画の打合せをすることにした。   ナポリのネクタイ工房でヴィンテージのアーカイブ資料をベースに色柄を作り込んでいく。ネクタイのマエストロの意見を聞きながら作りこんでいくこの作業も段々とスムーズになってきた。最初のころは、ナポリ服飾業界の昔話や『ネクタイとは…』といった禅問答のような話を聞くだけで2時間くらい経って中々仕事が進まなかったが、信頼関係が出来てきたのか?自分のペースで仕事が出来るようになってきた。                           しばらく工房にこもってアーカイブ資料を漁っていると、ふと不自然なものが目についた。 ヘヴィフランネル素材を使ったタイだ。         実は、スーツやジャケットのメーカーでもそうだが、どこの生地メーカーのものでも仕入れられるという訳ではない。各社で取引のある生地メーカーがあって、それがブランドの個性や打ち出しの違いに結びついている。 またネクタイメーカーであればネクタイ用のシルク生地メーカーと取引はあるが、スーツやジャケットに使われるウール生地のメーカーとは取引がないのが一般的だ。カチョッポリやドラッパーズなどのカットレングス対応のバンチからカットしてタイを作る場合もあるが、薄く柔らかいイタリア生地が殆どでこんなしっかりとしたフランネルは見たことがなかった。     マエストロに恐る恐る聞いてみると、   『あぁ、これはFox Brothersの生地を使っているんだ。Foxのダグラスさんと縁があってFox Brothersのイベント用に作っている。内緒だぞ。』 との返答。   『ダグラスさんは良く知っている!じゃあ、Foxの生地を仕入れてネクタイに出来るってこと?』   『う~ん、これは特別な依頼でやっているからなぁ。勝手にOKとは言えない。ダグラスさんに直接聞いてもらった方が良いかな。』   『分かった。ちょうど来週に生地展示会で会う約束をしているからそこで聞いてみる!』   となった。               翌週、ワクワクしながらミラノの生地展示会に向かった。 Fox Brothersのブースでダグラスさんに会うと、早速今回の企画意図を説明した。 [...]

amerian mix

  しばらく続いた『英国調』のトレンド。 まだしばらくこの流れは継続するが、少し変化を入れたいのも正直なところ。     今季は、そこに『american flavor』をミックスするのが気分。 久しぶりにこんなマドラスチェックのジャケットも良い。