military ox shirt

ファッションは意外性があると面白い。 皆が着ている服を着る安心感も分からなくはないが、「個性や自分らしさ」を考えたときに右に倣えの着こなしが本当に良いかどうか?考えてみるのも時には良いと思う。     デニムシャツがメンズクロージングの世界で定番となってどれくらい経っただろうか? 程良いヌケ感があり少しカジュアルに見せるのに役立つ。ジャケットスタイルにタイドアップで使っても良いし、チノパンにニットなどのカジュアルなスタイルにも使えるので汎用性も高く使いやすい。とても便利なシャツだ。   だが、先述の話と同様に皆が着ているからこそ、、、 違った着こなしにチャレンジしたくなるのが服好きの性だ。     『デニムシャツの次』として、こんなシャツを企画してみた。               両胸ポケット付のシャツ。 実は、USアーミーのシャツをモチーフにしながら幾つかのワークシャツのディテールを詰め込んでいる。   今、世界中で『ヴィンテージミックス』『ヴィンテージのミリタリーウェアをドレスクロージングのアイテムとミックスして着こなす』のが人気となっている。しかし、古着屋で本物のミリタリーウェアを探して着るのは少々難しい。古着のコンディションやサイズ…等々の問題もあるし、ある程度の年齢の大人がユーズド品を着るという事に抵抗がある人も多い。 じゃあ、そういった雰囲気・空気感を持ちながら上質なシャツを作れば面白いのでは?というところから本企画はスタートした。       衿型は、先述のUSミリタリーシャツをベースに少しアレンジしている。 またステッチはダブルステッチ。洗いをかけると程良いアタリが出て良い雰囲気になる。これも古いアメリカのシャツに良く見られるディテールの一つだ。 シルエットは、程良く身体にフィットするシルエットにしている。以前のようなスリムフィットではないが、古着シャツのようなダボダボのサイズ感でもない。今の気分をのせてた良いバランスのフィッティングとなっていると思う。   釦も猫目釦と言われるアジのある釦を使っている。通常のシャツ用釦は、穴が4個となっているのに対して2個となっており、その名の通り猫の目のような形状をしている。これもドレスシャツではあまり使わない形状で、どちらかと言うと古いワークウェアに使われることが多い。           とここまでミリタリー・ワークウェアのディテールを搭載したシャツ、、、 と紹介してきたが、縫製はワークシャツの工場ではなく、敢えてドレスシャツを縫う工場で縫っている。何が違うのか?と言われることが多いが、「全く違う。」と言い切れる。 袖付けを高級ドレスシャツでみられる『後付け』にしている。腕を動かしやすいように後から付けるのだ。一般的なカジュアルシャツは身頃と一緒に一気に縫ってしまう。この方が効率が良いのだ。 あと、脇裾のピース。カーブした台衿。身頃の前身と後ろ身のバランス。。。等々ここでは書ききれない数多くのディテールを備えている。 ※この辺りの話は、蘊蓄が長くなりすぎるので、また機会をみつけて紹介したいと思う。     それと、カジュアルシャツとは運針(ステッチの細かさ)が違うのが最も分かりやすいかもしれない。とはいえ言われなければ分からない人が殆どだと思う。しかし、良く比べてもらうと全く違う。 これによりラフ過ぎるカジュアルシャツではなく、ワークやミリタリーの要素がありながらどこか上品なシャツ。そう、テーラードジャケットに合わせることが出来るミリタリーシャツが出来上がるのだ。         素材も最高の生地を使っている。備後地区(広島県と岡山県に渡る地域でデニムやチノクロスの産地として有名)の生地屋で探してきた素材で、どちらかと言うと本気のミリタリーウェアを復刻しているメーカーが喜んで使っている素材だ。この生地屋が個人的にとても好きで、10人に満たない会社ながら世界中から有名デザイナーや企画者が生地を買いにやってきている。 世界的にみてもこういったワークウェアやミリタリーウェアの復刻生地は、この産地が断トツである。何度かイタリア人に見せたことがあるが、皆間違いなく驚愕する。 イタリアやイギリスの生地も好きだが、こういったmade in Japanならではの生地もとても気に入っている。 [...]

1910′s long P-coat

        もう10年程前になるだろうか?知人の変態洋服バカ(←褒め言葉)に借りたヴィンテージの1910年代ロングP-coatをベースにウチらしいモディファイを加えて作ったコートは、クラシッククロージング好き&ヴィンテージ好きの両方から支持されロングヒットとなった。 それから毎シーズン少しずつアップデートしていったが、遂に完成形に達したかな?と思う出来栄えに。         ※原型となったヴィンテージのコート     袖タブ付きに。 腰のポケットもパッチ&フラップ型に修正。       ※ステッチもワークウェア用の粗々しいものではなく、運針も細かく繊細な印象に       イカリマークに星マーク付きのヴィンテージ釦も釦メーカーで復刻されてはいるが、、、 そこは敢えて本水牛釦にした。       ※アルスターコートやポロコートに見られるバックベルトとタックを採用。       素材は、敢えてメルトンではなくRING JACKETオリジナル素材のBalloon。 膨らみがあってナチュラルな伸縮性のあるバルーンウールをコート用に糸を撚り合わせて織り上げ、モッサー仕上げにしてふんわりと仕上げた。     ミリタリー由来のヴィンテージコートをルーツとするが、ヴィンテージそのままを復刻するのではなくRING JACKETらしいバランスで出来上がったと思う。     改めてジックリとみて… 良いコートだと思う。       ITEM : COAT / RJ by RING JACKET ART : RJ018F40X [...]

new model

       

ladies over coat

伝統工芸

      先日とある工房に行って見てきた。噂は色々と聞いていたが…、百聞は一見に如かず。 木の目を見極めて造る様を目の当たりにして驚愕した。 感動のmade in Japan クオリティ。   日本のブランドであるRING JACKETがフォーカスする日本の匠の業。   常にワクワクドキドキする楽しい事をやってきたいと思う。   新しいプロジェクトが動き出した。 お楽しみに。                              

fox brothers

    Fox brothersのdouglas氏(右から二番目)がRING JACKET本社にやって来た。   生地屋の社長だが、ファッション誌の表紙を飾るくらいスタイリッシュである。 昨今人気のあった華美なイタリアンスタイルではなく、アンダーステートメントを信条とするブリティッシュジェントルマンスタイルなのがdouglas氏の特徴だ。               派手な色使いや人目を引くような斬新な着こなしはしない。しかし、普通でありながら普通ではない…、そんな不思議なスタイルに惹きつけられるのだ。 業界内にdouglas氏のファンが多いのも頷ける。   それは、世界中の服を着てきた経験値によるものもあるのかもしれない。 douglas氏は、イギリス、イタリア、フランスなど各国のテーラー(サルト)に赴きオーダースーツを作っている。 勿論、生地はFox brothersだ。     英国の老舗生地屋の社長というだけでなく、 世界のドレスクロージングの『今』を知るキーパーソンの一人だと思う。       2019年に向けて色々と楽しい仕掛けを考えているのでお楽しみに。    

fox flannel

                   

VBC factory ③

VBCの魅力とは何だろうか? と今回の工場見学で考えていた。     原毛から生地が出来上がるまでの全てをコントロールする力?   社員を大事にし、地元の雇用を守り地域密着型の企業姿勢?   どちらも正解だと思うが、VBCの企画力も魅力の一つだと思う。       その企画力の一端を垣間見ることが出来るのが、VBCアーカイヴルームだ。                                   100年以上前の生地資料などが整然と並ぶ様は圧巻だ。   ここにある昔の資料をベースにVBCの企画が構成される。いくらクオリティの高いものを作っていても『新しいモノ』や『時代性』が無ければ飽きられてしまう。過去の資料を見ながら如何に現代の雰囲気に変えて生地にするか?そんな正解の無い難しい作業を連綿と続けてきたその経験値こそがVBC最大の強みなのではないだろうか?    

VBC factory ②

工場の外の庭の次は、いよいよ工場内だ。 原毛の買付けから紡績、製織、整理加工仕上げ、、、と全て一貫してやっている。 案外知られていないのだが、実は多くのミルは分業制でやっている。糸はべつの会社から買ってきて織り上げるところや、仕上げの加工は他社に出すなど様々だ。     この全ての工程を自社で行いコントロールすることでVBCのハイクオリティ&グッドパフォーマンスが成り立っている。     機械化が進み人が少ないのも驚いた。                                   徹底したコスト削減の為にオートメーション化を図っているのかと思いきや、全く反対の答えが返ってきた。     『勿論、コスト削減は大事な要因の一つです。しかし、それだけで行っているのではありません。人体に影響を及ぼす可能性のある薬品を使ったりする染色工程は、社員が快適に仕事が出来るよう機械化しました。また、人でなければいけない所はいまだに人の手でやっています。生地にキズが無いかチェックする工程は4回行いますが、全て人が行っています。オートメーション化が全てにおいて優先するわけではありません。人が機械を使い、機械がチェックする…その交互チェックが大事です。』                               さすが大企業、、、 しかし、『大企業=個性を活かしにくい+人と人との繋がりが希薄』なのでは? と思っていたが、     『年に一回、社員の家族を工場に招待する会があります。お父さんやお母さんがどんな仕事をしているのか?みてもらうのです。お子様達はとても喜んでくれますよ。工場見学が終わったら、社長や役員と社員、そしてその家族の人達と一緒に食事をするのです。とてもユニークな試みでしょ?VBCは地域の人達によって成り立っていますから。』     という回答だった。 確かに工場を案内してくれたシモーネ氏をはじめ若いスタッフが多く活き活きと働いている。 [...]

VBC factory ①

    イタリア・ヴィエラにあるVitale Barberis Canonico (VBC)の工場に行ってきた。     イタリアのミル(織物工場)は幾つか行ったことがあるがVBCは初めてだ。 イタリア最大級との噂を聞いていたので期待が高まる。   最新の設備を沢山みせてくれるのかと思ったら、、、 まずは工場の外の庭に連れていかれた。               『生地を作って終わり』ではなく、 環境への配慮がこれからとても大事になってくる、、との事で生地を作る際に使う排水を濾過して池に流している。     それだけだと何てことないのだが、なんと その池に魚が泳いでいるのだ。     『環境』『人』『テクノロジー』『伝統』『技術』 全て大事にしているというVBCの本気度を垣間見た。