『RING JACKET / fabric guild 』 vol.11 / Duca Visconti-wide wale corduroy

  今季のディレクションテーマの一つとして『wide wale corduroy』(太畝コーデュロイ)を挙げている。 少し前は、こういった太い畝のコーデュロイは野暮ったい印象で人気が無かったが、ここ数年ですっかりそういった印象も無くなった。 一般的には、パンツコールと呼ばれる15~16ウェル(※畝の単位で数字が大きくなるほど細い畝になる)前後のコーデュロイが主流だが、今なら10ウェル以下のコーデュロイが狙い目だ。もっと言うと、6~8ウェルくらいの太い畝がベストである(写真のジャケットは6ウェル)。     コーデュロイの太さ以外にも重要なのが整理加工の仕上げだ。 イギリス(ブリスベン・モスなど)や日本のコーデュロイ生地はマットな仕上がりで落ち着いた印象なのに対して、イタリアを代表するコットン系素材のファブリックメーカーDuca Visconti社のコーデュロイはイタリアならではの発色の良さと艶感のある仕上がりが特徴だ。   勿論、どういった狙いの商品にするか?なのでどちらが優れているという訳ではないが、、、 今回の商品は、太畝コーデュロイならではの野暮ったさを中和する意味もありDuca Viscontiのコーデュロイを使った。太畝ならではのアジのある表情ながら古臭さを感じさせないのは、viscontiならではの艶のある仕上げによるところが大きい。           しかし、このベルテッドジャケットが艶やかでありながらアジのある表情に仕上がっているのはそれだけではない。 この表情を出す為に敢えてルールを破った使い方をしているのが分かるだろうか?     展示会でもモノ作りに詳しいバイヤーが『アレ?これって、、、。』と気付いた人が数名いたが、まあ普通にしていれば殆ど気付く人はいないと思う。     実はコーデュロイには毛の向きがあって、生地表面を撫でたとき綺麗にねる『なで毛』、表面がザラっとして濃くなる方向の『逆毛』がある。逆毛(職人さんによっては略して『サカ』とだけ言う人も)にして裁断する方が毛並みが綺麗に見えて均一な製品(厳密には均一に見えやすい)になりやすいが、、、 今回のベルテッドジャケットは均一で綺麗に見えるより、多少ムラ感というかアジを優先したかったので「なで毛」で敢えて作っている。光の当たり具合によって見え方が変わって、悪く言えば色ムラがあるような見え方、良く言えば表情豊かな見え方になる。 製品洗いのジャケット程ラフになる訳ではなく、ちょっと生地表面の表情があって適度なカジュアル感が出るようにしているのだ。     『何となく雰囲気がある』『何か分からないけど格好良い』というフレーズをよく耳にするが、違うと思っている。 “何となく格好良いのではなく、意図と狙い、ディテールへの追及と創意工夫、そしてちょっとした偶然、、、が積み重なり格好良くなっている”のだ。     野暮ったさではなく、色気を纏ったコーデュロイジャケットが出来たと思う。                           ITEM : JACKET / RJ by RING [...]

『RING JACKET / fabric guild 』 vol.10 / loden steiner -loden cloth brown

前回、『本物のローデンクロス』について書いた。 ローデングリーンと呼ばれる深いグリーンがローデンクロスの典型的なカラーの一つだが、もう一色人気のカラーがある。     このブラウンだ。           ローデンクロスは、オーストリアのチロル地方で織られた紡毛織物で、ハンティングをしているとき森林に馴染むカラーとして使われた深いグリーンがローデングリーンと呼ばれるようになったと言われている。 その説が正しいとするなら、森の木々をイメージさせる深いブラウンもまたローデンクロスならではのカラーなのかもしれない。       森の木々に馴染む深いブラウン しっかりと目の詰まった生地 独特のドレープ     ブラウンのローデンクロスを使ったコートも悪くない。                 ITEM : COAT / RJ by RING JACKET ART : RJ018F30F MODEL : RJCO-10F PRICE : 170,000- YEN +tax COMPOSITION : WOOL 100% SIZE : 44 . [...]

『RING JACKET / fabric guild 』 vol.9 / loden steiner -loden cloth

『ローデン風』『ローデンクロスのような』生地は多く見かけるが、、、 本物のローデンクロスは案外見かけない。     本来のローデンクロスから派生して、今では深い森をイメージさせるようなグリーンを『ローデングリーン』と呼ぶようになっている。 イタリアのメーカーでも『これはローデンだ!』『ローデングリーンで良いだろ!』と言うが、よく問い詰めてみると『ローデン風の生地』で実際はローデンクロスではなかったことが何度もある。           カシミアタッチの分かりやすく柔らかい生地が相変わらず人気だったが、ファッション感度の高い人達のあいだでは『次の格好良いモノ』に食指が伸びていた。 勿論、カシミアタッチの柔らかい素材を否定するわけではないが、違う一手を常に模索するのが癖になっている。     そんな時、とあるイタリア生地のエージョントと話していると、 『実はLODEN STEINERを扱うようになったんですよ。ご存知ですか?』 と言われた。   『勿論!ローデン風の生地に食傷気味だったのでちょうど探していたんですよ。見せて下さい!』 即答だった。   軽くて柔らかい生地のトレンドが続いていたので本物のローデンクロスのような重くてしっかりとした生地は人気が無かった。また、ミラノウニカなどの大きな生地展示会に出展していなかったのでメンズクロージングの世界であまり使われていなかったのだ。 しかし、昨今のクラシック回帰により英国生地などの打ち込みのしっかりとした生地の人気が少しずつだが出てきていた。     早速、生地資料を取り寄せた。 LODEN STEINER社自体は昔ながらのクラシックなローデンクロスも勿論作っているが、、、 実は、トレンドに合わせた柔らかい生地も作っている。意外にもレディース向けのシェアも多いようである。 しかし、欲しかったのは『昔ながらの本物のローデンクロス』だ。   数多いコレクションの中に『loden』と名付けられたものが3~4ある。これらが昔ながらのローデンクロスだ。 ローデンクロスは、オーストリアのチロル地方で作られるコート用の厚地紡毛織物で軍兵用のコートに多く使われた。粗く太い紡毛糸を用いて脱脂せず高密度で織り上げる。それを2.2m幅に織りあげた生地を縮絨して1.5m幅に仕上げるのだ。 ただでさえ高密度に織り上げた生地を更に何度も縮絨して高密度に仕上げることによって『本物のローデンクロス』が出来上がる。                     撥水性があり耐久性も素晴らしい。激しい環境での使用を想定した軍用コートの素材がルーツというのも頷ける。   ただ、固く高密度な素材というだけではなく、独特のバシッとした生地はシルエットをストンときれいに出す。 薄く柔らかい生地には出来ない芸当だ。     本物のローデンクロスだけが出せるシルエットと雰囲気がある。     [...]

『RING JACKET / fabric guild 』 vol.8 / fox brothers – king of flannel

    fox brothersの代名詞でもあるフランネル。 フランネルの元祖と呼ばれるだけあって素晴らしいクオリティだ。     正直言って他社のフランネルより高い。が、一度着ると病みつきになるから不思議だ。   先日fox brothersの社長が来日した際に言っていた言葉が耳に残っている。   『fox brothersのフランネルは、独特の雰囲気を持っている。安くは無いので扱えるブランドも限られてくるが…、使って頂いたブランドは皆喜んでくれる。好きな人達に少しずつ使ってもらえれば良いよ。』     本当に好きなモノを妥協せず作っているのがひしひしと伝わる。 またfoxが好きになった。foxの生地を使ったジャケットをもう一着買おうか目下悩み中である。                        

『RING JACKET / fabric guild 』 vol.7 / trabaldo togna – estrato

  魅惑の生地の世界について語る『fabric guild』vol.7は、イタリアのtrabaldo tognaのestratoについて書きたいと思う。 これまで、生地好きが唸るような少しマニアックな英国生地を中心に紹介してきた。ハリコシのある英国生地はスーツやジャケットを仕立てるのに適している、、、 が、独特なタッチや雰囲気により好き嫌いがあるのもまた事実である。     私はと言うと、実はどちらも好きだ。英国生地、イタリア生地、そして日本の生地…其々に良いところがあり甲乙つけがたい。『生地』そのものを愛しているでどれかだけを選ぶなんて出来ない。強いて言うならば、生産国によって好き嫌いがあるのではなく、そのミル(機屋)ならではの魅力や個性があるところが好きだ。         今回のtrabaldo tognaのestratoシリーズはとても特徴がハッキリしている。 いわゆる「ナチュラルストレッチ」に特化しているのだ。ドレスクロージング好きの中にはストレッチ素材を敬遠する人もいる。私自身はゴリゴリの英国生地も好きだが、こいいったストレッチ素材も嫌いではない。   これまでストレッチ素材が嫌われていた原因は、化繊であるポリウレタンを入れることによってストレッチ性を出している生地が殆どだったからだ。本当は、混率や糸の作り方にもよるので一概に言えないが、、、ポリウレタン混のストレッチ素材は最初は良いが次第に繊維が劣化して伸びたまま戻らなくなることがあったのだ。 それと、やはり本格的なスーツは天然素材100%でないと、、、という昔からのイメージが根強くあり「ストレッチ素材=スポーティなジャケット向き」とされていて高級ファブリックメーカーはあまり手掛けていなかったのも服好きに受けなかった原因の一つであるように思う。     しかし、ここ数年でイタリアを代表する高級ファブリックメーカーの多くがストレッチ素材を展開するようになった。むしろやっていないメーカーを探す方が難しいくらいである。   その中で早くから「ウール100%でのナチュラルストレッチ加工」に特化してきたのがtrabaldo tognaのestratoシリーズだ。やはり、他社が後追いでやってくる前から試行錯誤してきただけに一日の長がある。 スーツやジャケット用の生地は一般的に150cm幅で織られることが多い。「ナチュラルストレッチ加工」は、敢えてそれより幅広に織って、最後の仕上げで縮めて150cm幅に仕上げるのだ。そうすることによってストレッチ性を出す方法である。 しかし、estratoはそれに加えてまだ秘密がある。 自社の契約しているエージェントにさえ見せないという門外不出の仕上げ工程により、素晴らしく伸びる!                 super120′s woolの程良く上品でありながら繊細過ぎずデイリーユースに使えるクオリティも良い。 イタリア生地ならではの色出しと程良い艶が良い雰囲気だ。     上品で、動きやすくストレスフリー、、、 しかも天然素材100%     多くの人にお勧めできるスーツである。         ITEM : SUIT / RING JACKET [...]

『RING JACKET / fabric guild 』 vol.5 / Kynoch – worsted twist suiting

今回のコラム『fabric guild』はKynoch(カイノック)について書きたい。     以前にも書いたが、メランジと杢を混同している人が多いが実は別物である。そんな杢の表現が抜群に上手いメーカーの一つがこのkynochだ。         イタリアの生地メーカーと比べると英国の生地メーカーの方が太い糸を使う場合が多い。杢糸とは、別々の色糸を撚り合わせていくので細い糸だと繊細な表情に、、、太い糸だと粗々しい表情に、、、といった風に仕上がる。   勿論、kynochは粗々しい表情の生地が得意だ。特にスーツ。 表面が均一な色目ではなくチラチラと色糸が見え隠れする。少しクセがあり好き嫌いが分かれるところだが、この表情が好きな人には堪らない。   太番手の杢使いなので当然ウェイトも重くなる。395g/mだ。 少し前なら400gくらいのコートも多くあったので、コート生地に肉薄するスーツ地とも言える。     『重い』と思うかもしれないが、RING JACKETならではの仕立てで着用した際に重さは殆ど感じない。 ある程度のウェイトがある方がスーツは仕立て映えがして良い。軽い生地は軽やかで良いがスーツ本来のドレープや立体感を損なう恐れがある。   完全な焦げ茶ではなく少しだけ浅いブラウンなのも秀逸である。                 ITEM : SUIT / RING JACKET MEISTER ART : RT028F63F MODEL : no.253EH / s-172H PRICE : 190,000- YEN +tax COMPOSITION : WOOL 100% SIZE :   [...]

『RING JACKET / fabric guild 』 vol.4 / Lovat mill-teviot tweed-gun club check

  スーツやジャケットに於いて最も重要なファクターの一つである“生地”。 一言で生地と言っても其々に特性があり様々な魅力を秘めている。人によっては駄目な生地でも、違う人にとっては堪らなく好きな生地である場合もあり、その多種多様性についついのめり込んでしまう服好きは多い。そんなハマってしまうと抜け出せない「魅惑の生地の世界」を綴るのが当コラム『fabric guild』である。     今回は、スコットランドのLovat millのteviot tweedについて書きたい。 何年創業で、、、という様なお決まりのブランドストーリーは当コラムでは割愛させてもらっている。検索エンジンで探せばすぐ出てくるような情報はここでは必要ない。そんな事より、『どんな生地なのか?』『何故、この生地を使おうと思ったのか?』の方が重要だと思うからだ。         LOVAT MILL teviot tweedの特徴をズバリ一言で表すと『田舎臭い』だ。 少し言い方が乱暴過ぎたか? 良く表現すると『スコットランドの田園風景をそのまま形にしたような朴訥として素朴な生地』といったところだろうか。     しかし、いくら素敵な言いまわしをしてもチェビオットツイードならではののゴリゴリ・ザラザラするタッチは変わらない。 ハッキリ言ってこの雰囲気と手触りが好きかどうか? それだけだと思う。     嫌いな人はどう頑張っても好きになれない。でも、それで良いのだ。万人に受けることを狙った生地ではない。 そこが良いのだ。     その代わり、好きな人はもうどうしようも無いくらい好きな生地である。チェビオット種の羊ならではののザラリとした質感、430g/mというしっかりとしたウェイト、グリーン・ベージュ・ブラウン…といったカントリーカラーで構成されたチェック柄。完璧である。     、、、 とここまで褒めてるのかけなしているのか? といった内容だったが、「トレンド」としてのコメントもしておこう。 英国調がキーワードの昨今、その中でも今期はカントリー調が旬である。クラシックなドレスクロージングの世界でもこういったカントリー調のチェック柄をモダンに着こなすのが人気だ。 ひと昔前だと「オジサン臭いジャケット」と言われていた色柄こそ1周廻って新鮮に映るようになってきた。     勿論、昔のまんま、、、 ではなくフィッティングに加えて、肩パッド無しののコンフォータブルな仕立てなど現代的な要素をミックスするのが肝なのは言うまでもない。     少し前まで「オジサン臭い…」と言われていたようなジャケットを颯爽と着る。右に倣えの無難な着こなしが多い中で、一歩先を行くスタイルは、廻りの人達をハッとさせるだろう。 そんな意外性のある着こなしこそファッションの醍醐味の一つではないだろうか?                 [...]

『RING JACKET / fabric guild 』 vol.3 / Savile Clifford

  英国のSavile Cliffordという生地メーカーを知っているだろうか?     実は、個人的に好きな生地メーカーの一つだ。 英国ならではの匂いを感じさせてくれるのが好きな理由の一つ。特にスーツ生地が良い。       「英国の生地メーカー=質実剛健」といったイメージがあると思うが、、、 実際は、super 180′s~200′sなどの高級ゾーンで薄くしなやかな生地を多く打ち出しているメーカーが思いのほか多い。分かりやすい富裕層向けブランドにはそういった生地が受けるのだとは思うが、個人的にはあまり興味がない。 人其々に価値観があり評価が分かれるところだが、、、高級な生地が必ずしも良い生地とは限らないと思っている。 この話は長くなるのでまたの機会に。     Savile Cilffordに話を戻す。 派手さは無いが、昔ながらの英国生地に対するイメージを裏切らない。 そんな生地を多く取りそろえるのがSavile Cliffordだ。     イタリアンクラシックの某重鎮メーカーも同じ理由かどうか分からないが、生地展示会で生地を見ていると偶然隣の商談席に座っていることがよくある。 日本マーケットでは、Fox brothersやW.Halsteadなどの方が認知度が高いが…、それらと比べても遜色ないクオリティだと思う。           ウェイト320g/mで適度な重みがメリハリのあるスーツを作る。     シックなブラック&ホワイトのグレンチェックに レッドのオーバーペーンが効いて絶妙な雰囲気になっている。     『英国=パッとしない大人しい色柄』と思われがちだが、こういった渋いグレンチェックにハッとさせられるようなカラーのペーンをきってくるのもまた英国である。     今季のディレクションテーマである『ビッグパターン』スーツでもあり、お勧めの一着だ。                   [retail] ITEM : SUIT [...]

『RING JACKET / fabric guild 』 vol.2 / Marling Evans-bric check

半年に一度ミラノで生地の展示会がある。 Milano Unicaだ。シャツ生地から合繊、ウール…様々な生地メーカーが集まる一大イベントで世界中のブランドのデザイナーや企画者が集まり次シーズンのコレクションで使う生地をセレクトするのだ。     多くの生地メーカーの中から何百~何千といった生地をみて吟味するのだが、みた瞬間に『コレだ!』と思う生地に出会うことがある。       その中の一つがこの生地だ。       英国のMarling Evans。 今季のテーマカラー『bric brown』(レンガを彷彿させるブラウン)のチェックが洒落ている。 この生地でスーツを作った。                 Marling Evans というと昔からの服好きにはジャケット用生地のメーカーというイメージがあるかもしれない。しかし、ここ数シーズンでスーツ対応の生地を作っていた。面白いな…、と思いながら実際に使う機会がなかったのだが、この色柄にはヤラれた。   抜群に格好良い。     しっかりとした質感ながら英国生地にありがちなザラつき感がない。 そして、杢糸の表情が素晴らしい。 ※メランジと杢糸とを混同している人が多いが、別物である。簡単に言うと、トップ染めした霜降り糸がメランジで、杢は色違いの糸を撚り合わせた糸の事を指す。 メランジ(霜降り)は自然な色ムラになるのに対し、杢はより大胆にムラがでる。(勿論、霜降りの作り方によってムラが大きくでるように作ることも可能だが、一般的に、、、という事で)                 生地の大きな流れとして「英国調」が挙げられるが、その中でも少しカントリー要素を含んだものが旬と言えるだろう。 しかし、『カントリージェントルマン』と言えば聞こえは良いが、コスプレ的な格好はいただけない。あくまで『ブリティッシュ カントリー フレイバー』を感じさせながら都会的でクリーンな着こなしがお勧めである。           ITEM : SUIT / [...]

『RING JACKET / fabric guild』 vol.1 / Loro Piana – pecora nera

2018年 秋冬シーズンのディレクションテーマ『bric brown』。 レンガを彷彿させるブラウンをテーマカラーとしているのは何度か触れさせてもらった。     それ以外にもディレクションテーマがある。『ビッグパターン』『ナチュラルカラー』がそうだ。   そこで、今回紹介したいのがこの生地。           ブラウン×オフホワイトの大柄のグレンチェック。 かなり大柄のグレンチェックで通常のジャケット生地ではなかなか無い柄である。一般的に柄を大きくしようとすると糸を太くする必要がある(柄自体を大きくせずピッチを広げて大きくする手法もあるが…)。糸を太くするということは、目付(ウェイト)がついてくる。     実は、この生地もウェイトは500g/mで本来コート用の生地である。ここ数年は軽いコート地が人気(400g~450gくらい)だったので、、、コート生地の中でも重い方に入る。それを敢えてジャケットでやってみたのだ。     しかし、『重い』と言われることはほぼ無い。     『ウェイトのある生地を使っても軽い着心地になる』 RING JACKETらしいジャケットとも言える。 ※RING JACKETで一番軽い仕立てであるno.278モデルというのも重さを感じさせない理由の一つだ。       ビッグパターン以外にもナチュラルカラーを挙げていたが、、、 まさにナチュラルカラーそのものなのがこの生地だ。         Loro PianaのPECORA NERAというシリーズの生地を使っている。 羊の原毛そのものの色を活かした生地で、このシリーズは『オフホワイト、ベージュ、ブラウン、ダークブラン』のみで色柄が構成されている。羊から刈り取ったナチュラル(自然)な羊毛のカラーで出来上がった生地なのだ。     通常は、糸にする段階で調合した染料を使って染めていくのだが、、、 その工程を敢えて省きナチュラルなカラーを表現している。   ※羊毛そのもののカラー「オフホワイト、ベージュ、ブラウン、ダークブラウン」のみで構成。ナチュラルで暖かみのある表情だ。       このundyed woolを使う手法自体は以前からあったが、どちらかと言うと英国メーカーが得意としており、刈り立ての原毛で脱脂もせずゴワゴワの風合いを残している荒々しいものが多い。イメージとしてはガンジーニットやインバーアランなどの古いフィッシャーマンセーターのような風合いと言えば分かりやすいだろうか?     そこは、流石イタリアを代表するファブリックメーカーであるロロピアーナ。英国メーカーがするツイーディな英国羊毛による原着色undyed [...]