SALE情報

RING JACKET  MEISTER、伊勢丹メンズ館4階RING JACKET、阪急メンズ館4階RING JACKET、各店1月2日(土)より初売りSALE開催いたします。

皆様のご来店心よりお待ちしております。

RINGオリジナル シャツ③

こんにちは、HP担当の奥野です。

今回も引き続きリング・ドレスシャツです。

昨日告知のように、まずは『袖後付け』についてです。

ウチのドレスシャツは全て、身頃の縫い目と袖の縫い目がズレています。細いアームホールに対し、運動量を確保した身頃側より大きい袖を縫い合わせていきます。その際に前方に少しひねって付けるのです。ジャケットの袖は前方向に振って(ひねって)つけます。そうすることによって手を前に出しやすい&動きやすくなるのです。

身頃と袖を一緒に縫い合わせるのは工程上やりやすいので、どちらかと言うと大量生産に向いている仕様です。量販店やファストファッション系?ではこの仕様です。一方「後付け仕様」は生産性が低い(手間がかかる)ので、ごく一部の限られたショップ&メーカーでないとできません。

手間のかかる工程であるのと、この工程を入れる為に作業が流れず他の工程も一旦ストップしてしまいます。という事は、工場からすると採算性の低い手法で非常に嫌がられるのです。“嫌がる”という表現だと「面倒臭いとか言わないでやってくれたらいいのに!」となりますが、、、

“出来ない・不可能”と言い換えた方が良いかもしれません。この工程の為に他の作業が止まってしまい、生産数が激減します。工場にとっては死活問題なのです。この仕様のシャツだけを生産している専門工場なら良いですが、この生産性の悪い仕様だけ&メインにやっている工場は世界中見渡しても少ないことからもいかに大変なのかを伺えるかと思います。

また、慣れていないと出来ないということもあり、日本の工場ではほとんどできない&技術的にもし可能でも工賃が何倍にも跳ね上がるといったことになってしまいます。

慣れない仕様を無理やりやっても、仕上がりに問題がおきることも多々ありますしね…。

ちなみにイタリアや海外の高級シャツとして日本でもおなじみのメーカーも多くは脇線と袖を一緒に縫ってしまう量産用に適した縫製で仕上げています。“ハンド”を謳っているところでさえ一部メーカーは…。

カバーオールなどのワークウェアは身頃と袖を一緒に縫っています。袖が真横に付いてたりしますね。けどテーラードジャケットは、袖が後から付けられて人の体に沿う自然な形に縫いつけます。

分かりやすくちょっと極端に言うと、、、

通常のシャツは↑のように真横に袖がつきます。

『後付け』は↑のように前方向に振って付けます。

ちょっぴり話がそれますが、シャツの誤解を少し、

※「後付け袖」は日本人体型の前肩の為に~と表現されることもありますが、「前肩」はあまり関係ありません。全く無くはないですが、前肩にするには首付け根から肩先にかけて曲げる&パターンでそういったカッティングにする+前肩部分のくりの形状、前身・後身のバランス、袖のイセ量…etcなどの方が重要です。

「前振り袖&袖のイセの調整がしやすい手法」といった表現のほうが分かりやすいかもしれませんね。もちろん「後付け」にしても袖のイセ量や袖の形状などが合っていないと意味がないです。

あとハンドに対する誤解が多いですね。特に袖付け根のハンド。ハンドだから着心地が良い!とかハンドの為良い!とよく言われますが、、、

着心地にはほぼ影響ありません。袖付け根のハンドは、ミシンで先につけて、折り返した部分のマツリ縫いを手まつりでやるのです。袖付け自体はミシンでつけるので、着心地で言うとほぼ関係ありません。強いて言うなら、ミシンステッチと手まつりの肌に触れる触感の部分です。これも、かな~り極太のステッチでなければ、ほとんど変わりません。

どちらかと言うと見た目の柔らかい雰囲気や、手仕事へのオマージュといった要素が大きいです。

それらを理解した上で着るのは良いですが、「ハンドだから着心地が良い」や「ハンドだから良い」というのは乱暴すぎます。

※ハンドを否定している訳ではありません。それを正しく理解しているかどうか?ということです。個人的にもハンドの雰囲気が大好きで、リング・ハンドシャツ計画も進行中です(笑)。究極のマシンメイドと、それに柔らかな雰囲気や贅沢さを兼ね備えたハンドを取り入れたシャツ、、、両方追及していきます!!!

ただ、手まつりを入れると洗濯でほつれやすいなどのデメリットもあります。ハンドとはそういった実用性だけでなく、シャツに更なる付加価値を求めるシャツなのです。

マシン・ハンド両方良いところがあります。どちらが上とか下とかではないのです。それよりもシャツ自体がどういった方向性で、どういったものを目指しているか!という事の方が非常に重要です。

では、本題に戻って、、、

脇・袖の縫い目も3mmの細幅でエレガントな仕上げです。一般的には5mm以上のものが多いですね。ちょっとボッテリみえます。

細い方がエレガントとされますが、コレ以上細くすると縫い目が硬くなってしまいます。あまり着心地に影響しても良くないので…。海外の高級シャツでもアタリ感が無い方が良いという発想でワザと太くしているメーカーもあります。また、ドレスシャツは細巻き、カジュアルシャツは太くと差別化している所もあります。ココの仕様も、どういったシャツを目指しているか?で分かれるところです。

リングでは着心地に影響がでないギリギリで、見た目もスッキリしてキレイなこの幅にしています。ステッチの番手や運針の影響もありますが…あまりにマニアックになりすぎるので。。。

今日もちょっぴり長めでマダマダいきます(笑)!!!

衿やカフス、脇線などのステッチ以外のステッチを気にしたことがありますか?

新型でちょっぴり改良した点があります。(どんどん進化していってます!!!)

何の変哲もないように見えますが、、、。

このノータイで着たときのセクシーさを追及しました。以前はタイドアップする方がほとんどでしたが、「ビジネスシーンでもノータイでの着用&ドレスシャツをカジュアルに着用」する方が増えてきたので。。。

よ~~く見ると

ココのステッチが無いんです!!!

普通は、前立てが無い仕様だと上前(釦ホールがある側)はステッチが無くても、下前(釦が付いている側)にステッチが入っています。その方が単純に生地を縫い合わせるので強度が増します。前回の“過度に厳しい検品基準”をクリアするには補強している方が良いです。

しかし、タイをすると隠れてしまうので問題ないのですが、ノータイで着たときに柔らかさが表現できません…。やはり、柔らかさや甘さ色気を表現することが得意なナポリのシャツメーカーの多くはココにステッチを入れていません。

強度か?雰囲気か?

といった選択です。

言われないと殆どの人が分からないと思います(笑)。でもパッと見ただけでわかることではなく、こういった目には留まらないちょっとしたディテールの積み重ねが“アジ””雰囲気・オーラ”に繋がっていくのです。

何気ないけど「あの人何となくイイ感じのシャツ着てるな~」となるのは、接着芯かどうか、ステッチがどうなっているか…、などなど細かい要因がちょっとずつ、ちょっとずつ積み重なって何かイイ感じのシャツが生まれます。

でも強度も考えて、

裾をパンツに入れて見えない「裾~一番下の釦ヨコまで」ステッチを入れ留めています。

上前・下前ともにやっています。

本当に最近よく思うのですが、ウンチク解説しすぎかな?と思います(笑)。いつもサラッと書いてますが結構、企業秘密というかノウハウ流出している部分もあります。

まだまだ細かいコダワリは隠してますが(笑)。

まあこのブログを楽しみにしていただいている方も多いみたいですし、「同業者がコピーするならどうぞ!ウチはさらにその先を行きます。」的なスタンスでいきたいと思います。

そんな超マル秘ディテールを採用しているのがこの

分かりますか?

パッと見ても多分わかりません…。

よ~~く見ても多分わかりません(笑)。

ふんわりとしたアジがありながら綺麗に整った衿ですね。この「綺麗に整った」がキモです。

実は、上前と下前の衿(左右の衿)の形状がちょっとだけ違うんです。第一釦を留めると台衿部分が当然重なります。そうすると上前の衿(向かって右)が前に出る…、下前の衿(向かって左)の衿は後に下がります。

ということは、ほんとうに少~~しですが、衿が左右バランス違って見えるのです。それを解消するために下前の衿を上前の衿に比べほんの少しだけ長く作ってます。

こうすることによって「綺麗に整った衿」になるのです。

このディテールは、言われると「なるほど!」と皆納得しますが、アパレル関係者でも知らない人が大多数なディテールです。海外メーカーでもやっていないところが多いです。様々なメーカーのものをよ~~く研究していると、一部やっているところがあります。「さすが!」と感嘆しますね。

そんなコダワリが詰まったシャツを追加でご紹介させて頂きます。

ブルーキャンディーストライプ、ブルー無地 ともに ¥16,800-(税込)

インポートだと2万中盤~くらいのクオリティでこの価格。かなりコストパフォーマンスの良い出来栄えだと思います。特に今回は良い生地を特殊ルートで仕入れた為、かなりお得感があります。

中にはコストパフォーマンスの良いウチでやっても3万超えるようなものも1万代…。

是非店頭にてお確かめ下さい。

次回は「幻の!世界最高の超長綿マスターシードコットン・ドレスシャツ」をお届します。

幻はちょっと言いすぎかな…(笑)。お楽しみに!!!

Ice Balloon