R.A.MOHAIR

こんにちは、HP担当の奥野です。

今回は、オーダー用スーツ地をご紹介させていただきます。リングヂャケットではオリジナルバンチを作っているのをご存知でしょうか?案外知られていないと思うのですが、コレが結構お得なんです。(いや、結構どころか…。)

一般的なスーツオーダーができるショップでは、バンチと呼ばれる生地見本帳を置いてあり、そこから生地を選んでオーダーするのが通例だと思います。

有名なバンチだとスキャバル、ドラッパーズ、ホーランド&シェリーなど。あとロロ・ピアーナやゼニアなども取扱い店が多いですね。沢山の生地が揃っていて見応えがあるのが良いですね。

ただ、スーツ&ジャケット用生地というのはメーカーにもよりますが「1反=約50~60m」あります。これを在庫としてかかえて、オーダーが入る度に一人分のオーダー用着分を2~3mずつカットし売上を作っていくというのがバンチシステムになります。

このシステムのメリットは、ショップ側が自社で在庫をかかえずに必要なときに必要なm数だけ注文ができる!という事ですね。

逆にデメリットは、生地屋が売れるかどうか分からない生地を大量に先発注し在庫としてかかえなければならないので…。倉庫の管理費や、全ての生地が100%売れることはまずありえないので…ある程度の消化で利益がでる価格設定、2~3mずつなのでどれくらいの期間で消化できるか?、海外のメーカーなら送料や関税、代理店のマージン…などなどが加味され生地値が決まります。

ぶっちゃけて言っちゃうと「個人オーダー分でバンチから2~3m買うのと、製造メーカーが生地屋から直接50~60mまとめて買う価格はかなり違う」んです。商売ですから、当然といえば当然ですね…。

しかもマーチャント(いわゆる生地問屋というと分かりやすいでしょうか)はミル(機屋、織物工場)に製造依頼をし自社の生地コレクションを作っていきます。なので、当然マーチャントから買うより、ミルから直接買う方が割安になる場合が多いです。(買う量にもよるので一概にも言えませんが…)

※こういう書き方をするとマーチャントはダメ!と誤解を招く可能性もあるので、少し補足を…。世界中の様々な得意先や顧客情報を持つマーチャントはその情報量と、顧客のニーズを具現化する能力(センスと言い換えても良いかもしれません)に長けており、機屋だけのコレクションではないバリエーションの豊富さと提案力のある色柄があるのが魅力です。

全てに当てはめるのは危険ですが、、、

ちょっと極端に言うと、ミルは良いものが割安感があって良いが色柄はベーシックなものが中心。マーチャントは比べると価格はUPするものの綺麗な色柄が揃っててバリエーションも豊富!といった感じです。

さて、かなり話が逸れましたが、、、

リングヂャケットでもオーダー生地コレクションを作っているのは先程も触れましたが、この生地が製品を作る為に仕入れた生地の残であったり、半分製品にして半分オーダー用に残したりしているモノもあります。しかも、中間マージンを省きミルから直接仕入れています。

ということは、、、

元々は製品用に50~60m(もしくはもっと沢山…)仕入れた生地なので、一般的なバンチからオーダーするのと比べてかな~~りお得感がでます。たまに某バンチ見てると「ウチのと一緒や…。」となることもあります。

なので、昔からのリングファンの方は、有名バンチは一切見ずに(笑)「リングバンチ見せて!」と来られる方が多数いらっしゃいます。

もちろん色柄のバリエーションは有名バンチにはとてもかないませんが、それを凌ぐメリットがおおいにあると自負しています。

この自信があるのは、値段だけではありません。ヨソにはない世界でリングだけ!リングヂャケット・エクスクルーシブファブリックを作っているからです。有名バンチの生地は世界のどこからでもオーダーできます。それは、全世界に安定した品質を供給できる素晴らしいシステムでもありますが、、、逆に言えば、世界中の誰でも同じ生地をオーダーできるんです。バリエーションが豊富にあるとはいえ、他人とかぶる可能性たっぷりです。どうせオーダーするなら、希少性があって、オリジナリティがあって、満足のいくクオリティ!でオーダーしたいと思いませんか???

まぁ自己満足と言われればそれまでですが…。(笑)

完全別注生地から、世界中でリングしかオーダーしなかった希少生地、日本未入荷生地、殆ど出回ってない生地、他でもあるけどかなりお買い得生地…などなどカッコイイ生地からヘンテコ生地まであります。是非店頭にてお確かめ下さい。

さて、本題です。(かなり前置きが長かったですが…。)

そんなリング別注生地の一つをご紹介させて頂きます。

仕上がり見本です。バシッと仕立て映えする生地です。

春夏用生地といえば、、、「モヘア」を挙げるかたも多いでしょう!モヘアの光沢とハリは服好きにはたまらない雰囲気があります。

モヘヤの傑作生地といえば「ドーメルのトニック」が真っ先に思い浮かびます。しかし近年改良されたトニックは、現代の気候・風土や流行に合わせて…ということでウェイトも軽くタッチも比較的柔らかく仕上げられています。より多くのお客様に受け入れられるようになり名作生地として進化したとも言えます。

ただ、昔からの一部の熱烈なファンからは、現代においてはそぐわない生地かもしれないが、独特のゴリゴリ感の残ったヴィンテージトニックが最高という人はいまだに絶えません。

そこで、ヴィンテージトニックを超えるモヘア生地を開発しよう!

とモヘアのスペシャリストである英国W.ハルステッドに特別に織ってもらったのが今回の生地です。

(サンプルは雨降らし袖であげました。柔らかな生地での表情とはまた違い面白い仕上がりです。)

モヘヤ3PLYの糸を使い平織りに織り上げています。春夏生地ながらウェイト390g/mとかなりしっかりボディ&モヘヤのハリ・コシのある傑作生地に仕上がったと自負しています。春夏でこの生地って…馬鹿じゃないのか?と言われそうですが(笑)

触ると大抵の人はビックリします。ゴリゴリでガッシガシの生地です。

ゴリゴリしすぎてダメな人は絶対ダメ!でも好きな人はメチャクチャ好きッ!!!な生地です。

イタリア生地の鮮やかなブルーとは違った、英国生地ならではの渋い男臭さたっぷりのブルーが良いですね。

リングの2010SSテーマが「Navy blue that comes back」「原点回帰」です。目まぐるしく変わるトレンドカラーに流されるのではなく、男服の原点である“ネイビー”を様々なカラートーンで提案していきます。このテーマを元に作りました。ネイビーと言っても様々なネイビー(ブルー)があります。ミッドナイトブルーからアズーロといわれる淡いブルーまで幅広く奥深いのがブルーです。

2009秋冬に大好評頂いた別注生地ムーンクロス(詳しくはコチラ)などのようにリングオリジナル別注生地にネーミングを付けていくことにしました。トニックやソラーロのように生地問屋(マーチャント)がミルに別注した生地が傑作生地として認知されていったように、リングがミルに別注した生地も傑作生地として認知されるようになれば…という想いも込めています。それだけの価値がある別注生地だと思います。

出来上がった生地は想像以上に素晴らしい出来栄えで、、、

『R.A.MOHAIR』と名付けました。

R…RING JACKETが開発した

A…トップAランクの

MOHAIR  モヘヤ生地という意味です。

というネーミングの意味は表向きで、、、

このブログをご覧の方だけに本当のネーミング意図をお教えします。。。

本当は、、、

『R.A.MOHAIR』

R…RING JACKETが立ち飲み屋で(リング社員と社長で…)

A…熱燗を飲みながらヴィンテージトニックを超える生地を作ろう!と考えた

MOHAIR   モヘヤ生地という意味です。

リング熱燗モヘアの略です。(笑)

ドーメルのトニックも、『中々納得できる生地ができなかったのが、ようやく出来上がったときにトニックで乾杯した』というエピソードからトニックというネーミングになったそうです。それをちょっともじったネーミングにしました。

日本人ならトニックじゃなくて熱燗で乾杯です。

クラシックの世界ってちょっと堅くマジメになりすぎる所もあるので、こういったウィット?!笑い?!のあるネーミングも良いかな~?と思います。とは言え公の場で言うのはどうか?!という意見もあり…。

ドーメルのトニックも当初はジョン・フォスターが織っていたようですが、途中からHALSTEADもやるようになったようですね。年代や時期により違うようで生地マニアではないので詳しくはわかりません。ただ、機屋としてのランクはHALSTEADの方が格上でしょう。というかモヘア生地を織らせたら世界一?!

是非店頭にてこの生地を触ってみてください。ヴィンテージ生地好きから、ウンチクはどうでも良いけど面白いモノ好き!な人まで納得していただける生地だと思います。

R.A.MOHAIR オーダースーツ価格 ¥166,950-(税込)より

※オーダーシステムにより変わります

詳しくはショップまでお問い合わせ下さい。

Ice Balloon