『シャツ生地の宝石 カルロ・リーバ』

こんにちは、HP担当の奥野です。

 

 

今回も昨日に引き続きシャツ関連です。

シャツ生地の最高峰って何だと思いますか?

少し詳しい方だと『CARLO RIVA』を挙げる人が多いと思います。イタリア・コモ湖のほとりで作られる珠玉の生地は、“世界最高のシャツ生地” “シャツ地の宝石”と称えられています。

 

最高と呼ばれ認知度の高い生地(一部の服好きの間では…)のわりに、、、殆ど日本に入ってきていない事実を知らない人が大多数です。

イタリアの高級シャツメーカーなどがよく「あのカルロ・リーバを多く扱う~」といった形容詞で紹介されることがあります。 メーカー自体が扱っているのは事実ですが、超高級生地なので、、、

日本のショップは殆どオーダーしていません。まぁ世界的にみてもカルロ・ リーバの生地でガッチリオーダーするようなショップは少ないので…。

メディア受けするトピックスだけ先走りして、実際は殆ど流通していないんですね。先述のイタリア高級シャツメーカーでもメインは、 アルビニやカンクリーニといった中堅クラスの生地メーカーのものが多いようですね。

「シャツメーカーのブランド名で売って、 生地自体はそこそこのランクのものをセレクトし販売価格を市場で売れやすい価格に持っていく」という手法ですね。 この手法を否定するわけではありません。正しいバイイングの仕方だと思います。 僕がバイヤーでもそうします。

 

でも、、、

世の中には、 それじゃ満足できない人がいます(笑)。まぁ全体でいえば少数派ですが。

 

 

 

 

 

 

そんな訳で、、、

コモのCARLO RIVAオフィスまで直談判しに行ってきました。

現在日本に代理店もエージェントもいないので、直接交渉しか方法がありません。でも、オーナーのオット・ マンテッロ氏はかな~~~り独特で気難しい人(笑)と有名です。結構不安タップリです。

そもそも「会えない」んです。「???」と思う方が殆どだと思いますが、本当に結構変わり者で、 一般的なビジネス感覚が通用しない方なんです。まぁ誤解を招くとダメなので、すご~~~く分かりやすく言うと、

「こだわったモノ作りをしているので、大量生産はできないし、しない。 価格もヨソより高い。その中で付き合える会社とだけ商売する」といったスタンスのようです。

お金だけでは絶対に首を縦に振らないメチャクチャ頑固な職人にお願いしに行ってきた!というと分かりやすいでしょうか???(笑)

 

 

そんなマンテッロ氏と直接商談できるチャンスを得ました!!!忙しい?or気に入った人間しか会わない? など噂話は以前から色々聞いていたので、、、できる事ならスムーズに商談したいな~と不安と期待に胸を膨らませながら…。

ミラノの地下駐車場は、映画の1シーンのような別世界!メチャクチャ広いです。すごいです。ちょっと感動しました。 でも迷ったら出てこれなさそう。。。

そんな近代的な都市から車で数時間。。。

穏やか~~な景色で、日本での喧騒を忘れてしまいそうになります。 ピッティやミラノコレクションなどの華やかなイタリアとはまた違った魅力がありますね。そんなスローな時間が流れるところで、 最高の生地が作られています。

 

 

 

車の中で「アポイントは何とかとれたけど、本当に来てくれるかな~?」「エッ!来ないかも知れないの!?」「五分五分ですかね~。」 「日本から何時間もかけてきてるのに?!」「う~~ん。」なんて普通じゃ考えられないような会話(笑)をしながらオフィスに到着!

 

最初、若いスタッフが対応。気持ち表情が堅い気が。。。

「今、別の場所にいて、これから向かってくる!」

との事。

「本当に来るの?」と冗談半分・本気半分で聞いてみたら…。

「Maybe(多分)」との返答。

多分って…。大丈夫か???とかなり不安になりました。

 

 

 

 

 

 

 

イタリア人の時間にルーズなのは、ある程度慣れていたのですが、、、このときは本当にドキドキでした。

そして、待つこと数十分。現れました!!!

 

そこで、まず最初に早口&大きな声で言われたことが、

「カルロ・リーバの生地は最高だ!でも、値段は高い!納期は遅い! それでも良いか?ダメなら帰れ!」

まぁここまできてダメなんて言える訳もなく、、、テーブルにつきました。

 

当初、幾つかピックアップし、資料をもらって日本に帰ってから正式発注!という予定でした。普通そうするんですけど。。。

「資料!?ダメだ!すぐコピーする馬鹿がいっぱいいる。 気に入ったんならこの場で発注しろ!発注したら、発注した生地だけ後で送ってやる!」

との事です。まあこの業界の常識をかなり逸脱してますが、このスタイルでないと取引できません。

 

あと、

「この生地は何番手の糸を使ってるの?」と聞くと

「カルロ・リーバ イズ カルロ・リーーーバ!!! それ以外に何が必要だと言うんだ!150双だ200双だのの数値ばかり気にする奴ばっかりだ。そんな事に何の意味がある。 そんな数値が欲しいのならヨソへ行け。そんな事をウリにしている生地メーカーはいくらでもある。カルロ・リーバの生地を見て・ 触って良いと思うかどうか?それだけだ!!!」

という風な事を怒りながら(怒ってるのではなく、普段からこんな感じのような気もしましたが…。) ダーーーーーーっと捲し立てられました(笑)。

今だから笑えますが、その時は交渉決裂か?!とかなりドキドキでした。

 

まぁそんな面白エピソードはまだまだあったんですが、長くなるのでこの辺に。

 

 

結構苦労して商談まとめてきました(笑)

今回は、初回のトライアルという事で、

ブルーのボイル(平織りの強撚糸使いでサラリとした生地)と、ホワイトのツイルです。

実はカルロ・リーバの生地って何種類かあるのをご存知ですか?

実は、 150cm幅と90cm幅があるんです。これ結構知られてないんです。先述の名前ばっかり先行してモノを語られてない (流通していないから?)とこに原因がありますね。

 

イタリアの一般的なシャツ生地の織機は、150cm幅なんです。日本は110cm幅ですね。

でも、昔ながらの旧織機が数台残っていて、その織機だけ90cm幅なんです。もちろん、カルロ・リーバを良く知る人は 「90cm幅のリーバでないと!」と言います。高速織機で織られるものと違い、生産効率は極端に落ちますが、 ゆっくりゆ~っくり織りあげられた生地は抜群の風合いに仕上がります。

※150cm幅のタイプがダメっていう訳ではないです。

 

 

もちろん、リングセレクトの今回の生地は90cm幅タイプ。

 

 

 

 

 

商談がまとまってくると機嫌が良くなってきたのか、工場内を案内してくれながら

「カルロ・リーバの生地のベースとなるコットンは、エジプトでとられ、 スイスで糸にしあげる。原料もとても大事だし、スイスの水と精紡技術も大事だ!そして、 そのこだわって作られた糸を直ぐに織りあげるのではなく、イタリア・コモ湖の倉庫で半年以上寝かせるんだ! ブランデーやワインのように熟成させるんだ。」

と話してくれました。本当にこだわっているんだな!とその想いがヒシヒシと伝わってきました。

現在日本とのビジネスは、オーダーシャツ屋さんが一軒のみだそうです。現在日本にあるカルロ・リーバ生地のほとんどは、 昔入ってきたものの残反を切り売りされたものみたいですね。もちろん先述のイタリア高級シャツメーカー製でも殆ど入ってきていないので、、、

カルロ・ リーバが最高ってみな言ってるけど、実際のところ持ってる人はかなり少ない。90cm幅のもの~なんて言うともっと少ない。 例え持っていても“シャツ”は着てると傷んでくるんで…、新しく買うとなると。。。

 

 

そんな 「シャツ生地の宝石 CARLO RIVA」のシャツ受注会を開催します。ネック・ボディサイズ・ 裄丈等をアジャストさせて頂きます。日程等詳しくはまたウェブでアップしていきます。

リング ドレスシャツだけでもかなりのコダワリ仕様です。イタリア高級シャツでもしていない仕様や発想で作っています。 それに加えカルロ・リーバ!となると…。お楽しみにッ!!!!

 

 

ショップに生地を置いてます。是非店頭で「見て&触って」感じてみて下さい。

 

 

 

 

Ice Balloon